FIA(国際自動車連盟)は、2018年のF1世界選手権でアンセーフリリースが相次いだことを受け、F1チーム側と協力してピットストップ時の事故防止対策に取り組んでいる。開幕戦オーストラリアGPではハースF1チームが2台がホイールナットがしっかりと装着されずに相次いでリタイア。第2戦バーレーンGPではタイヤ交換途中で発進を指示されたキミ・ライコネンにはねられたフェラーリのメカニックが足を骨折する事故が発生した。
また今年はプラクティスセッションでもアンセーフリリースが発生しており、冬季テストではマクラーレンのフェルナンド・アロンソが走行中にホイールが外れるという事故が起こっていた。FIAレースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングは「ミスの可能性を減少させる対策をいくつか導入できると思う」とコメント。「我々が何かを学んだのは確かだが、改めてこのようなを分析し、何をしていくかを決めるべきだと考えている。正確なものである必要があり、全員が確実に実行するようにしなければならない」 「どの部分を自動化し、どの部分を人が操作するかが重要だ。将来的な対応については明白な考えがあるが、それは今後チームたちと議論することになるだろう」 チャーリー・ホワイティングは、アンセーフリリース問題の多くは、タイヤが正しく装着されたことを検知する自動センサーに関連していたと説明した。「一部のチームには、ホイールガンにトルクセンサーがあり、ポジションセンサーがあるチームもある。トルクセンサーだけの場合、ホイールガンでナットを締めた際に真っすぐにはまっていなかったとしても必要なトルクはかかったと表示されてしまうが、実際にはきちんと締まっていないことになる。ハースの2台と金曜日のマクラーレンに起きたのがこれだ」「一部のチームは、それに加えてポジションセンサーも使っている。必要なトルクが得られていたとしても動いた値が正しくなければ作業は完了していないと判定される。ストロークセンサーとトルクセンサーという2つのインプットによってオペレーターのガンに青信号がつき、作業完了がしたことが報告される。実際に作業が完了したことをオペレーターに伝えるために2つのセンサーが使われている。そして彼がボタンを押し、ジャッキが落りてマシンが発進する」ピットストップ時の安全性改善のために全チームのピットストップシステムを標準化する可能性について質問されたチャーリー・ホワイティングは「標準化の必要はないと考えている」とコメント。「だが、作業が終わるまではオペレーターがボタンを押せないようにする必要がある。事実上、彼らはそこに親指を乗せた状態で作業をすることができるからだ。また、その2つの条件が満たされない限り指示を出す者がOKを出さないよう特に厳重に確認する必要がある」