F1のチームとドライバー感の無線規制が緩和され、一部戦略に関する指示の伝達が許可されることになった。2016年F1シーズン、FIAはF1競技規則 第20条1項の「ドライバーは、1人で援助なしに運転しなければならない」を厳しく適用することを決定。FIAのレースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングは、ピットウォールからF1ドライバーへの無線によるコーチングが“許容できないレベル”に達したことがその要因だとしていた。
だが、F1チームからは新たなルールが厳しすぎると不満の声が挙がっており、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは「無線にはエンターテイメント性がある」として、FIAのやり方は行き過ぎだと異論を唱えていた。FIAは、チーム側からの聞き取りを実施し、戦略に関する指示の伝達を許可することにした。この決定は、オーストラリアGPの開始間際に決定された。チャーリー・ホワイティングは、F1チームに新たな技術指示書を発行。「ドライバーとその競争相手のレース中のピットストップ戦略。内容はピットストップのタイミングとどのタイヤが今後使用される(または使用された)かに限定する。誤解を避けるため、これらの戦略指示にはマシン及びパワーユニットのセットアップは含まれない」とした。この緩和により、F1ドライバーはただチームの組み立てた戦略に従うだけでなく、レース全体を通してオプションについてチームと話し合うことができるようになった。また、フリー走行と予選中では「ドライバーがピットに入ってきた際にどのように行動すべきかを伝えることができる。例として“ドライブスルー”“ピット前で停止”“ピットストップの練習”“ガレージに入れ”やこれに類似したもの」との文言が追加された。関連:FIA:2016年のF1無線通信規制の詳細を発表