F1は、2017年にF1マシンの改革を行うことで同意したものの、テクニカルレギュレーションの最終決定期限は4月30日(土)まで延期されることになった。 新レギュレーションの目的は、1周につきマシンを3秒速くすることを目標に、ウィング幅の拡大やディフューザーの大型化などが盛り込まれている。さらには2017年のワイドタイヤの導入も予定されており、ラップタイムの改善が期待されている。
また、コックピットを保護するデバイスも採用される可能性が高く、現時点では“ハロー”コンセプトが導入される見込みとなっている。昨年初めにレッドブルは、ラップタイムを5〜6秒改善する案を提案したが、ピレリタイヤが増加する負荷に対応しきれないとの懸念を受けて、次第にラップタイム改善の幅は縮小されていった。その後、マクラーレンが中間案を提示し、これに23日(火)のF1コミッションのミーティングで同意がなされたとみられている。 FIAは声明で「ストラテジーグループの推薦を受けて、F1コミッションは2017年のスポーティングレギュレーションおよびテクニカルレギュレーションの最終決定期限を2016年4月30日まで延期することで同意した。全株主がすべての関連作業を滞りなく終えられるようにするための措置だ」と述べた。「よりエキサイティングなマシンを創造し、ダウンフォースの増加とスピードの上昇をもたらし、ラップタイムを短縮するための新ボディワークレギュレーションが採用された。FIA、チーム、そして公式タイヤサプライヤーは、レギュレーションに必要な新タイヤのテストについて最善のソリューションを導き出すために引き続き議論を行っていく」最終的なテクニカルレギュレーションが成立するためには、F1チームの同意と世界モータースポーツ評議会の承認が必要となる。レギュレーションに投票したチームがこのまま新ルールを支持し続ければ計画は続行されるが、4月30日まではレギュレーションとして成立してはいない。 ウィリアムズの技術責任者を務めるパッド・シモンズは「同意はなされたが、レギュレーションとして記されるまでは単なる理論だ」とコメント。「問題は、誰かがそれを妨げようと思えばそうできてしまうことだ。そうなると、突然、すべてが非常に困難になる」 「それは実行力なき決定であり、実行されない決定は本当の決定とは言えないだろう?」 パワーユニット関連のレギュレーションについても同じ期限に向けて議論されることになっており、エンジンパフォーマンスの一極集中、エンジンメーカーの供給義務、エンジンサウンドのさらなる改善についても話し合われる。