F1委員会は、2017年に安価な独立エンジンを導入するというFIAの計画を否決した。FIAは、2.5リッター V6ツインターボをベースにし、およそ900馬力の発生しつつ、低コストの代替エンジンを、現行のV6ハイブリッドのパワーユニットと並行して採用することを提案している。この案は、年間約1800万ポンド(約33億2,668万円)のコストがかかっている現在のパワーユニットで財政的に苦労しているF1チームを回避させるためである。
また、競争力のあるエンジンを見つけるのに苦労しているレッドブルに対する答えでもある。しかし、このアイデアは、特にフェラーリとメルセデスから強い反対を受けている。メルセデスのモータースポーツ責任者のトト・ヴォルフは、FIAはカスタマーエンジン供給契約に対して予算制限を科すための交渉手段としてこれを利用していると考えており、“脅迫”だと述べた。トト・ヴォルフは「この状況について話し合うことはできるが、脅迫されるつもりはない」と Bild に語った。24日パリで行われた投票では、代替エンジン案は、F1戦略グループの最初の投票を通過した。ただし、ここでは全員一致ではなく過半数で議案が通過する。FIAとFOMはそれぞれ6票を有しており、指定された6チーム(メルセデス、フェラーリ、マクラーレン、ウィリアムズ、レッドブル、フォース・インディア)がそれぞれ1票を持っているので、チームがどう投票しようとFIAとFOMの12票で過半数を上回る。しかし、2回目の投票となったF1委員会で、この提案が否決されたという。規約変更は、24票中18票が必要とされる。しかしF1戦略グループとは異なり、F1委員会の投票メンバーには、チーム、FIA、FOMのほか、スポンサー、サーキット主催者、ピレリが含まれる。だが、この提案は完全に終わったわけではないかもしれない。世界モータースポーツ評議会での最終投票に到達するまでには通常F1委員会の承認が必須。しかし、FIAがF1の将来が危険にさらされていると考えれば、この件を不可抗力の理由で押し通すことができる。FIAの今後の対応に関する情報は、今週後半に明らかにされるとみられている。
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