FIAは、元会長のマックス・モズレーの案をベースとした予算制限案を提示している。F1マシンのスピードを上げて“ショー”を改善させる必要性についてはピットレーン全体で合意がとれているものの、小規模チームにとってベストな生き残り手段については意見がまとまっていない。マックス・モズレーの後継者であるジャン・トッドは、すでにパワーユニット購入にかかる費用を抑えることを約束している
しかし、ザウバーのチーム代表モニーシャ・カルテンボーンは「それだけでは不十分です。私たちにはもっと多くの方策が必要です」と主張している。モニーシャ・カルテンボーンは、F1チームが予算制限を選択する代わりにテクニカルレギュレーション上である程度の自由が許されるというマックス・モズレーの案を支持すると話している。この件については、前回のストラテジーグループの会議で話し合われたが、マックス・モズレーの原案は予算制限を受けるチームと現状維持を選んだチームとで別々の2種類のレギュレーションが存在するため、混乱を引き起こしかねないという観点から拒絶されたとみられている。しかしな、 Auto Motor und Sportは、FIAがマックス・モズレーの案のバリエーションを提示したと報じた。新たな案ではテクニカルレギュレーションが2種に別れることはないという。この案では全てのチームが同じルール下に置かれるものの、年間1億2,000万ドルから1億5,000万ドル(約148億1,000万円から約185億2,000万円)ほどの予算制限を受けるチームには無制限の“ツールとテスト”が許可されるという。また、予算制限を受けないと考えられるビッグチームらは、その代わりに風洞での作業時間が1週間あたり25時間、コンピューターの処理速度が25テラフロップス、年間テスト日が8日間に制限されるとしている。同誌は、ビッグチームが新しいプランを拒絶したとする一方で、それは“予算制限組”がトップチームをしのぐことを恐れた結果のようだと伝えている。フォース・インディアの副チーム代表ロバート・ファーンリーは「なぜ彼らがいっそう悪いモデルに基づき、進んでさらなる資金を投じようとしているのか疑問を持つ必要がある」と述べた。また、FIA会長のジャン・トッドには別の案があるとも報じられている。「開発においてパーツの数量を制限することもできる。それぞれのチームが年間10のサスペンションや20のウィングが許可されるなどだ。いったん製作されたパーツはFIAが封をする」とジャン・トッドは発言した。