フェラーリは2026年シーズンのタイトル争いに向けてパワーユニット(PU)の性能改善を続けている。その過程で、意外にもカスタマーチームであるキャデラックの存在が開発のヒントになったという。オーストリアGPで投入したエンジンアップデートの効果が期待を下回る中、フェラーリはシェルがキャデラック向けに開発した燃料を採用。さらなる出力向上を目指し、次なるPUアップデートの準備も進めている。
キャデラック向け燃料がフェラーリの性能改善に貢献2026年からF1に参戦したキャデラックは、フェラーリ製パワーユニットを使用するカスタマーチームとして戦っている。しかし成績面では苦戦が続き、セルジオ・ペレスの最高位は14位、バルテリ・ボッタスも13位が最高となっている。一方で、イタリアの『Formula1.it』によると、フェラーリはキャデラックとの提携から思わぬ恩恵を受けたという。報道によれば、燃料パートナーであるシェルは当初、フェラーリとキャデラック向けに異なる持続可能燃料を開発していた。そしてフェラーリ関係者の証言として、キャデラック用燃料のほうが高い性能を発揮していたことが判明したという。そのためフェラーリは現在、キャデラック向けに開発された燃料へ切り替えたとされる。この燃料によって、フェラーリ製PUは約5〜6馬力の出力向上が見込めると報じられており、メルセデスやレッドブルとの差を縮めるための重要な要素として期待されている。オーストリアGPのPUアップデートは期待外れフェラーリはオーストリアGPでエンジンアップデートを投入したが、実際の効果は期待を大きく下回ったようだ。『Formula1.it』によれば、アップデート後のデータを解析した結果、出力向上は約5馬力程度にとどまったという。フェラーリのPU部門を率いるエンリコ・グアルティエリも、このアップデートについて「効果は限定的になる」と事前に認識していたとされ、大幅な性能向上は見込んでいなかった。そのためマラネロでは、すでに次のエンジンアップデートへ開発の重点が移っている。次期アップデートはターボチャージャー改良が焦点フェラーリは夏休み明け最初、もしくは2戦目となるザントフォールトGPまたはイタリアGPで、新たなPUアップデートを投入する計画と報じられている。次回の改良ではターボチャージャーが主な変更点になる見込みだ。フェラーリはこれまで小型ターボを武器としてきたが、現在ではスタート性能における優位性が薄れており、より高い出力を引き出す方向へ設計を見直す方針だという。ルイス・ハミルトンは現在ドライバーズランキング3位につけ、首位アンドレア・キミ・アントネッリとの差は32ポイント。シャルル・ルクレールも優勝争いに加わるなど、フェラーリはタイトル戦線への本格参戦を目指して開発を続けている。燃料の見直しによる数馬力の向上に加え、次期PUアップデートが期待通りの成果を発揮できれば、後半戦でメルセデスやレッドブルとの差をさらに縮める可能性がありそうだ。
全文を読む