フェラーリが、FIAの新たなパワーユニット補正制度「ADUO」を活用した最初のアップグレードを、早ければ今週末のオーストリアGPで投入する見込みだ。スペインGPでルイス・ハミルトンが移籍後初勝利を挙げたフェラーリだが、タイトル争いにおいては依然としてメルセデスが最大のライバルと目されている。マラネロではさらなる戦闘力向上に向けて開発作業が進められている。
オーストリアGPでADUO初アップデート投入かイタリアの専門メディア『AutoRacer.it』によると、フェラーリはADUO制度で認められた開発枠のうち最初の1回をオーストリアGPで使用することを目指しているという。ADUOは、性能面で先行するパワーユニットメーカーとの差を縮めるため、一定条件を満たしたメーカーに追加開発を認める制度だ。フェラーリはこの制度の対象となっており、シーズン中に2回の性能向上アップデートを行えるとみられている。今回投入予定とされる改良版ICE(内燃エンジン)は、シーズン3基目のエンジンとして導入される見通しで、出力は約5馬力向上すると報じられている。メルセデス追撃へ第一歩フェラーリ副会長のピエロ・フェラーリは先日、パワーユニット開発の余地が生まれたことについて前向きな見解を示していた。「エンジンに手を入れられるなら、あらゆるサーキットでメルセデスに挑みやすくなるかもしれない」バルセロナ・カタルーニャGPで長い勝利の空白期間を終わらせたフェラーリだが、レッドブルリンクはメルセデスが得意とする高速サーキットのひとつと見られている。アンドレア・キミ・アントネッリも、オーストリアではメルセデスが強力なライバルになるとの見方を示している。そのため今回のアップデートは、単なる性能向上以上に、今後のタイトル争いを占う重要な一歩となる可能性がある。シェルの新燃料も投入予定今回の改良はエンジン本体だけではない。報道によると、フェラーリの燃料パートナーであるシェルも新仕様のガソリンを準備しており、改良型ICEと同時に投入される可能性が高いという。近年のF1では燃料開発による性能向上も無視できない要素となっており、エンジン側の改良との相乗効果が期待されている。今回の5馬力増加は比較的小規模なアップデートとみられるが、フェラーリ陣営はさらに大きな効果が見込まれる第2弾のADUO開発も計画しているとされる。オーストリアGPでその第一歩がどの程度の成果を示すのか、大きな注目が集まりそうだ。