F1バルセロナ・カタルーニャGPでのフェラーリの圧倒的な勝利を受け、パドック内ではFIAのパワーユニット評価制度「ADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)」に対する疑問の声が高まっている。FIAは先週末のバルセロナ・カタルーニャGPを前に、2026年および2027年の追加開発枠を各メーカーへ割り当てた。
評価の結果、レッドブル・フォードが最も優れた内燃エンジン(ICE)を持つと認定され、フェラーリ、アウディF1、ホンダには2回、メルセデスには1回の追加開発機会が与えられた。フェラーリの圧勝が新たな論争にところが、その直後に行われたバルセロナ・カタルーニャGPではルイス・ハミルトンがフェラーリで優勝。ジョージ・ラッセルとランド・ノリスに20秒以上の差をつける完勝だった。一方、FIAから最強エンジンと評価されたレッドブル勢は苦戦。マックス・フェルスタッペンは4位に終わり、アイザック・ハジャーも好追い上げを見せたものの6位が精一杯だった。この結果について、ブラジル人ジャーナリストのジュリアンヌ・セラソリは、自身のYouTubeチャンネルでパドック関係者の間に疑問が広がっていると明かした。「パドックでの議論はこうだ。メルセデスが開幕から勝ち続けていたのに、なぜパワーで大きく劣ると評価されたフェラーリが突然レースを支配できたのか。そして、なぜ最良のエンジンを持つとされたレッドブルが勝てないのか、ということだ」FIAはあらゆるデータを検証セラソリによれば、FIAはADUOの評価にあたり予選タイム、決勝ペース、両ドライバーの平均データなど複数の指標を比較したという。「FIA関係者は『あらゆるデータを見た。予選も、ドライバー平均も、決勝結果も確認した。そのすべてがレッドブルのエンジンが最良という結論を示していた』と話している」しかし、その評価結果と実際のレースパフォーマンスが一致していないように見えることから、関係者の間では説明を求める声が上がっている。メルセデスとフェラーリへの疑念もさらにパドックでは、メルセデスとフェラーリがADUO制度を見越してパワーユニットを設計した可能性も取り沙汰されている。一部では、両メーカーが意図的にICE性能を抑えた仕様でホモロゲーションを行い、追加開発枠を獲得する戦略を取ったのではないかとの見方もある。セラソリは「メルセデスは規則を理解したうえでエンジンを設計していたのではないかという話も出ている。なぜこれほど大きな差が生まれたのか、多くの疑問が残っている」と語った。ADUO制度は2026年の新規則下で各メーカー間の性能差を縮小するために導入されたものだが、フェラーリの躍進とレッドブルの苦戦によって、その評価基準や運用方法を巡る議論は今後さらに激しくなりそうだ。