フェラーリ会長ジョン・エルカーンが、チーム代表のフレデリック・バスールを解任し、元レッドブル代表クリスチャン・ホーナーを招へいする可能性を検討していると報じられた。F1 Insiderのラルフ・バッハによると、ホーナーの2024年不祥事をめぐる300万ユーロの和解は、F1復帰を見据えた“布石”である可能性があるという。
フェラーリは2025年シーズンでいまだ勝利を挙げられず、シンガポールGPではシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンがトップ5圏外に終わるなど苦戦が続く。ホーナーが率いたレッドブルでの6度のコンストラクターズタイトル、8度のドライバーズタイトルという実績は、エルカーンにとって魅力的な要素とみられている。ラルフ・バッハ 「エルカーンは本気でホーナーを狙っている」F1 Insiderのラルフ・バッハは次のように述べている。「ホーナーが今回の和解に動いた理由は明らかだ。彼は裁判を避けたかった。今は新しい職を探しており、もしかするとその機会を得る可能性もある。もしフェラーリでのチャンスを見ているなら、今回の展開は理にかなっている」「契約延長をしたとはいえ、フェラーリはバスールを手放したがっているようだ。ジョン・エルカーンはクリスチャン・ホーナーの起用に本気で焦点を当てている」バスールは2025年7月31日に契約を延長したばかりだが、シーズン終盤の不振を受けてチーム内外で批判の声も出始めている。ジョニー・ハーバートも「フェラーリにはホーナーが必要」と主張元F1ドライバーのジョニー・ハーバートも、『GrandPrix247』のインタビューでフェラーリにホーナーを迎えるべきだと語っている。「結局のところ、成功するには適切な人材を惹きつける必要がある。アドリアン・ニューウェイをチームに加えようという動きがあったが、もっと強い働きかけがあってもよかったかもしれない」「僕はフレッド・バスールを好ましく思っているが、“勝てる方程式”を作り上げた人物が必要だ。そしてそれは、おそらくクリスチャン・ホーナーということになる」分析:ホーナー招聘は現実的か、それとも政治的ブラフか現時点でフェラーリがホーナーに正式な接触を行った事実は確認されていないが、いくつかの要素がこのシナリオを現実味のあるものにしている。■ 追い風となる要素・エルカーン会長の改革志向と勝利への執念・フェラーリが2025年未勝利という現実・ホーナーが持つタイトル獲得の実績とリーダーシップ■ 障壁となる要素・バスールが契約延長を果たしたばかりであること・ホーナーの過去の不祥事とイメージリスク・フェラーリ内部の政治構造と文化的抵抗2026年の新レギュレーション導入を前に、フェラーリが体制リセットを図る可能性はある。今季を未勝利で終えた場合、経営層がトップ交代を決断し、ホーナーの名前が再び浮上することは十分考えられる。結論:ホーナー就任の可能性は「ゼロではない」ホーナーがフェラーリに加入するには、契約上・政治上のハードルが多いものの、フェラーリ側の焦燥感とホーナーの復帰意欲が一致すれば、2026年の体制刷新を契機とした交渉が現実化する余地はある。現時点では憶測の域を出ないが、フェラーリが勝利の方程式を探し続ける限り、ホーナーという名前が消えることはない。Source: sportskeeda.com