フェラーリF1チーム代表のフレデリック・バスールは、2025年シーズン序盤に「品質問題」に直面したことで「道を見失った」と認めた。フェラーリは2024年終盤の好調を受け、今季の大幅な前進が期待されていた。3月の上海スプリントレースではルイス・ハミルトンが衝撃の勝利を収め、マクラーレンに対抗できる力を示していた。
しかしその翌日の中国GPでハミルトンがスキッドブロック過度摩耗により失格、チームメイトのシャルル・ルクレールも最低重量違反で失格となる悲劇に見舞われた。このダブルショックにより、フェラーリはSF-25の車高を引き上げざるを得ず、最適なパフォーマンスウインドウから外れてしまった。フレデリック・バスールはフェラーリの問題を認めたバスールは、この問題が単に速度を削ぐだけでなく、チームが他の重要分野に集中できなくなったと語った。「マクラーレンは特に雨や暑いコンディションでタイヤマネジメントが卓越している」とバスールは独『Auto Motor und Sport』に語った。「失格は我々を少し外れた方向に追いやった。最低地上高について安全マージンを設けざるを得なかった」「ご存知の通り、これらのマシンは最低地上高に関して極めて敏感だ。1ミリごとにスターティンググリッドでの順位が変わる」「車高を完全にコントロールできなければ、競争力に影響が出る」「問題を解決しようとすると、他のことへの集中を失う。予選用にタイヤを準備することや、ウォームアップラップなど、挙げればきりがない」ヨーロッパラウンドに入るとフェラーリは立て直しに成功。ルクレールは直近7戦で4度の表彰台を獲得し、直近のハンガリーではポールポジションも獲得した。バスールは、序盤に道を見失った経緯を説明しつつ、今は競争相手に比べて状況が改善されていると強調した。「ここ3〜4戦で、我々は差を2コンマまで縮めることができた」とバスールは語った。「シーズン序盤はサーキットでのハンドリングに大きな問題を抱えていた。品質問題があり、その後に失格もあった。我々は少し道を見失っていた」「全ては細部にかかっている。ブダペストでの予選は良い例だった。間違ったことに集中すれば、すぐに多くを失う」「シャルルが2コンマ遅ければ、6番手であって1番手ではなかった」「速くなるために、その瞬間に何が重要かを知るのは非常に難しい」