フェラーリは、F1モナコGPの予選後に予定外の記者会見を開催。チーム代表のマッティア・ビノットがシャルル・ルクレールの衝撃的なQ1敗退を招いた失態について説明したが、結局はカットオフタイムの計算ミスという単純なものだった。シャルル・ルクレールは、予選Q1の一回目の走行で1分12秒149を記録。フェラーリはQ2進出に十分なタイムだと考え、セッション後半に新品タイヤでの2回目の走行に送り出さずにルクレールをピットレーンに残した。
だが、ストリートサーキットの路面は急激に進化しており、シャルル・ルクレールはずるずると16番手に後退してQ1でノックアウト。タイミングモニターでそれを見ていることしかできなかったルクレールはチームへの不満と不信感を露わにしてフェラーリに説明を求めていた。チームメイトのセバスチャン・ベッテルは1回目のアタックでミスをしたことで2回目の走行を行ってQ1をトップタイムで通過。最終的に4番グリッドを獲得している。フェラーリは土曜日の夜に予定外の記者会見を開き、マッティア・ビノットがメディアに何が起こったのかを説明した。「我々にとって良い一日ではなかったのは確かだ。今日起こったことは我々の判断ミスによるものだ。それ以上のことはない」とマッティア・ビノットはコメント。「我々がカットオフタイムと呼んでいるものを誤った判断、間違った評価したことによるものだった。カットオフタイムは我々が次のセッションに十分だと考えているしきい値であり、カットオフタイムはコース上で確認していること、全ての競争相手、全てのドライバーのリアルタイムのセクターに基づいて計算されている」「カットオフタイムが計算されているとき、通常、我々はそこにマージンを追加する。マージンは許容誤差、不確実性、またはセッション間で起こり得るいかなることに対しても十分な余裕を持っている」「今日起こったことは、我々が適用したマージンが、ごくわずかであるが十分ではなかったためであるのは確かだ。そこには2つの理由がある。1つ目はQ1の終了までに路面が非常に大きくかつ重要な改善をしていたことだ。2つ目はおそらく我々のマージンがモナコを運転することに対するドライバーの自信による変動を十分に考慮しなかったことだ」「今後、モナコではそのマージンを増やす必要があることは間違いない。マージンを適用するためにカットオフタイムを計算するだけでは不十分だ。だが、モナコで今日学んだ教訓はマージンを単純に大きくする必要があるとことだ」マッティア・ビノットは、コンストラクターズ選手権でのメルセデスとの差を埋め合わせるために多くのリスクを冒す必要があり、フェラーリは余分なタイヤセットをセーフすることを望んでいたと述べた。「我々はチャンピオンシップでポイントをキャッチアップする必要のある状況に直面している。我々はライバルと比較してキャッチアップする必要があり、キャッチアップが必要な場合はリスクを冒す必要もある」とマッティア・ビノットはコメント。「今日、シャルルとセブが揃ってQ3でメインのライバルにどうにか挑戦できるよう、Q2とQ3で可能な限り良いパフォーマンスを発揮するためにある程度のリスクを冒さなければならなかったのは確かだ」「だが、そこについて見れば、Q2に進出することの意味合いの方が、予選の最終パートであるQ3で彼らに挑戦するよりもさらに大きことであるのは疑いのないことだ」マッティア・ビノットは、フェラーリがセバスチャン・ベッテルがQ1を突破することに気をとられていたとの見方を否定。各ドライバーには進捗状況に応じて個別のストラテジストとエンジニアがついているとし、チームは関与した人員の変更を検討する必要はないと強調した。「我々には適切な人員がいると思っている。適切な手順を踏んだと思っているが、我々はツールを改善する必要がある」とマッティア・ビノットは説明。「そして、我々は少なくともこれまでやってきたことを調査し、今後、異なる方法を行う可能性についてオープンだ。それが今後のレースから我々が対処していくことだ。それについては間違いない」関連:シャルル・ルクレール、Q1敗退でフェラーリに不満爆発「説明してほしい」