今年のF1グリッドで、長寿命規約のエンジン配分を超過することなくチェッカーフラッグを見ることはできるのはメルセデスだけかもしれない。フェラーリは、今年パワーユニットで優位に立つメルセデスに挑んでいるが、それでも今年5基目のエンジンを使用してペナルティを受けることは免れられないようだ。
Autosprint は、フェラーリはモンツァで2トークンを使用したアップグレード版パワーユニットの投入を予定していると報道。フェラーリはまだ今年使用できるトークンを5つ残しており、今回のアップグレードと合わせてセバスチャン・ベッテルのマシンに適用されるのはそれぞれ4基目と5基目のエンンジンとなる。Autosprint は、ペナルティの対象となる5基目のエンジンは10月末までには準備が整い、オースティンもしくはメキシコで投入される予定だと報じている。しかし、フェラーリの技術責任者を務めるジェームズ・アリソンは、進歩のためのフェラーリの努力は、今シーズンのペナルティの可能性よりも重要であることを示唆した。ジェームズ・アリソンは「今シーズンここまでに大きく前進できたことには満足している」と Auto Motor und Sport にコメント。しかし、セバスチャン・ベッテルはタイトルの可能性を軽視いており、ジェームズ・アリソンも「我々はまだ全員が誇りを持てるクルマになるまで多くのことをやらければならない」と述べた。「まだ世界選手権を争うことはできないが、我々は現実的であり、我々がどの位置からここまで来たかを心に留めている」厳しい“4基エンジン”規約はホンダを苦しめており、FIAは、今後に新規参入するエンジンメーカーにはドライバーにつき1基のエンジンを追加することを決定。その規約は遡ってホンダにも適用された。ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める新井康久は「決定は、F1に参入する新しいパワーユニットサプライヤーを奨励するものです」とコメント。「その方向性を指示した全チームとパワーユニットサプライヤーを評価していると言いたいです。チームとドライバーにとって良いことです。ですが、それはホンダが信頼性面で望んでいる場所にはいないことも意味します」「残念ながら今後もペナルティーを受けてしまうとは思いますが、シャシー、パワーユニット双方が大幅なパフォーマンス向上を果たします」一方、ルノーも今シーズンは信頼性に悩まされており、例えば、レッドブルのダニエル・・リカルドは、すでに5期目のエンジンを搭載してペナルティを科せられている。レッドブルは、10月にルノーのエンジンパフォーマンスのアップグレードが届くのを待っているが、それによってさらなるペナルティが科せられてしまう。レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは「アップグレードされたユニットが投入されるまでにもうひとつのペナルティを招くことなくソチにたどり着けるかどうかについては時間のみぞ知る」と述べた。F1の最高権威者バーニー・エクレストンは、長寿命エンジン規約が現在のF1で最も気に入っていない決定だと Movistar F1 述べている。「(エンジンが)乏しいドライバーを想像してみてほしい。彼がグリッドで4番手になっても、エンジンとギアボックスを変更すれば、10グリッド降格する。私の意見では、その全てが完全に間違っている」