ルカ・ディ・モンテゼーモロは、フェラーリ会長を退任することで約37億円の退職金を得るという。10日(水)、ルカ・ディ・モンテゼモーロが10月13日(月)付でフェラーリ会長の座を退き、フィアットのCEOを務めるセルジオ・マルキオンネが後任に就くことが発表された。事実上の更迭とされている。
Reuters によると、2017年3月までフィアットと競合しないことへの同意と引き換えに、ルカ・ディ・モンテゼモーロには2015年1月31日に1,325万ユーロ(約18億2,800万円)が一括支払われ、さらに20年間で1,371万ユーロ(約18億9,200万円)が退職金として支払われるという。ルカ・ディ・モンテゼモーロは、水曜午後にマラネロで最後にもう一度だけ記者会見を実施。新社長となるセルジオ・マルキオンネも同席した。2人はブランドの方向性をめぐって衝突していた。ルカ・ディ・モンテゼーモロは、フェラーリを親会社であるフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)から独立させたがっていたが、セルジオ・マルキオンネは来るニューヨーク証券取引所での新株発行を後押しすべく生産と使用を拡大させたい構えだ。加えて、セルジオ・マルキオンネは、フェラーリがF1で5年連続で成功を収められなかったとしてルカ・ディ・モンテゼモーロを批判した。「フェラーリにとって勝利は不可欠であり、我々にはその力があると信じている」とセルジオ・マルキオンネはコメント。「それを達成するために、リソースはもちろん、やれることはすべてやるつもりだ」一方、ルカ・ディ・モンテゼモーロは、将来の成功に向けて自身が注意深く監視しながら変化していくことの重要性を強調。「この会社にはトップに返り咲くためのフレームワーク、手段、人材がある。我々が再びベンチマークのチームとなる日がそう遠くないことを確信している」と述べた。両者の違いはフェラーリのビジョンだけに留まらず、ファッションにも表れた。ルカ・モンテゼモーロがオーダーメイドのスーツを着用して会見に現れたのに対し、セルジオ・マルキオンネはカジュアルな装いだった。退任する現社長のファッションアドバイスについてセルジオ・マルキオンネは冗談ながらに「ご覧の通り、私は彼の言うことを聞かなかった」と述べた。また、フェラーリの公式サイトによると、ルカ・ディ・モンテゼモーロは、記者会見後に製造部門のあるファクトリーに戻ったという。同サイトは「世界の報道陣の前では何とかこらえることに成功したが、仲間の前で彼は数粒の涙を流していた」と伝えた。