フェラーリは、2014年F1マシンの開発への焦点の移行を開始。今後のレースの金曜フリー走行では2014年マシンのパーツをテストしていく。現在、ポイントリーダーのセバスチャン・ベッテルと2位のフェルナンド・アロソとの差は60ポイントまで広がっており、コンストラクターズでもレッドブルとフェラーリ間には103ポイントの差がある。
フェラーリのエンジニアリングディレクターを務めるパット・フライは、今後も現行マシンへの開発物の導入はしていくものの、残りのレースでは2014年マシンのコンポーネントをテストしていくと述べた。「我々はまだ今後数レースでいつくかの開発を導入するし、クルマを改善させ続けるためにそれらを走らせ、テストしていく」とパット・フライはコメント。「2014年に関しては、エンジン面、さらには空力面でかなり大きな変更がある。当然だが、現在コンポーネントをテストするにはかなり難しい。だが、今年の残りのフリープラクティスで走らせられる小さな開発物もいくつかあるし、他の何よりも信頼性面をより見ていく。今後の6レースでは忙しい金曜日を計画している」チーフデザイナーを務めるニコラス・トンバジスも、今年の残りのレースは重要だが、2014年作業の結果に目をむけている。「我々の努力は、部分的にタイヤとタイヤマネジメントをもっと良く理解し続けていくことを目的としている。ライバルと比較していくつか改善がみられるかもしれない」とニコラス・トンバジスはコメント。「我々はいくつか小さな空力アップデートを持ち込む。最終結果に劇的な影響を及ぼすとは思っていないが、いくつか改善をもたらしてくれると感じている」シーズン序盤、タイヤはF138の長所のひとつであったが、現在は後退しているエリアと言える」「そのような変化は、タイヤベルトがメタリックからケブラーに変更されたドイツGP後に起こった」とニコラス・トンバジスは語る。「だが、我々のパフォーマンス低下の唯一の原因としてタイヤを非難するのはやや軽薄だ。いくつか開発措置をとったが、あまり強いものではなかったし、機能しなかった」フェラーリは、10月末にマラネロの風洞を再稼働される予定だが、ニコラス・トンバジスは、風洞を使えなかったことが今年のクルマのペースの改善を遅らせたと認める。「ライバルと比較して、我々の風洞技術は弱点だった。我々の品質にはいくつか問題があり、本来あるべき均一性がなかった。そして、我々は望んでいるような大きさのモデルを走らせることができなかった」「我々は一日で多くの走行と実験をすることができず、データと器械工学はかなり時代遅れだった。それはちょっとした欠点だった。我々は過去数カ月間をそれら全ての問題に対処するためのアップデートに費やした。したがって、完全に稼働可能になれば、ライバルに対する不足はなくなるので、その点に関しては楽観的だ」風洞だけでなく、2014年マシンは、新たな組織構造から生まれる最初のマシンでもある。「およそ1年半の間、我々は、2人の副チーフデザイナーが隔年でそれぞれのプロジェクトを見るという異なる方向で組織化してきた」「ファビオ・モンテッチが、副チーフデザイナーとして2014年プロジェクトに従事しており、彼は私は非常に密接に働いている。空力面では1〜2年間2014年マシンに取り組んでいるチームがある。現在、我々は、これまで今年のマシンの開発に取り組んできた人々の焦点を2014年にシフトさせ、チームを補強した。したがって、来年のクルマに取り組む人々の数は劇的に増加した」組織変更の一部として、ジェームズ・アリソンがテクニカルディレクターとしてフェラーリに復帰することが挙げられる。「ジェームズのことは1994年から知っている。一緒に働くのは3度目となる。一度はベネトン、そして2000年代初期のフェラーリで働いていた」とニコラス・トンバジスはコメント。「彼は技術的に優れた人物であり、人としても素晴らしい。パットと共に、彼ら二人は力強いリーダーシップを提供する。我は多くの知識、経験、能力をチームにもたらしているし、より強くしている」2014年は、新しいエンジンが導入されることおあり、マシンは先代オデルとは非常に異なったものになる。「空力面の変化はかなり大きい。いくつかの重要なエリアで我々のデザインを再調査する必要がある」とニコラス・トンバジスは説明。「フロントウイング、そしてリアウイングは、異なる規則で設計される。廃棄効果の除去も非常に重要だ。さらにエンジンとの相互作用となると冷却が非常に重要となる。適切にすることが非常に重要だ」「それら全ての要因により、2014年マシンは非常に異なってくる。だが、クルマを設計するための過去からの知識と経験を使わなければならないので、我々はそれをゼロもしくは白紙からのスタートだと断言することはできない。そこはライバルに追いつかなければならないと感じるエリアでもあり、実際に全てゼロからスタートしている部分もある」だが、パット・フライは、2014年マシンの変化はルックス的なものではなく、内部的なものだと考えている。「フロントウイングが狭くなり、下部のリアウイングが消えるだけで、空気力学なビジュアルの変化は比較的小さい」とパット・フライは語る。「エキゾースト位置が移動になり、クルマの側面の空力パフォーマンスに重要な影響を及ぼすため、ボディシェイプはわずかに変化すると推測している。パフォーマンス面ではかなり劇的に変化するだろうが、ビジュアル的には現在のクツマとかなり似ているように見える」