レッドブルF1のジュニアドライバーであり、ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)に所属する岩佐歩夢が、サウジアラビアで開催された2022年FIA F2選手権の第2戦を迎えた。FIA F2選手権第2戦サウジアラビアはジェッダ・ストリートコースを舞台に、3月26日(土)スプリントレースが行われた。市街地の公道を使用したコースは、高速でランオフエリアがあまりない特徴的なサーキット。
ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)のドライバーとして参戦する岩佐歩夢は、初のストリートコースでのレースながら前日の予選で6番手となり、リバースグリッドとなるスプリントレースでは4番手からのスタートとなった。午後3時30分、気温24℃、路面温度35℃のドライコンディションでフォーメーションラップがスタート。好スタートを切った岩佐歩夢は、1台をパスして3番手で第1コーナーに入った。しかし、その後ペースに勝る後続にパスされ1周目を4番手で終えた。1周目、後方でクラッシュが発生し、セーフティカー(SC)が導入される。コースクリアのために5周に渡るSC先導となり、その後にレースは再開された。岩佐歩夢はリスタート直後の第1コーナーで1台にパスされ5番手にダウンした。リスタート時に後続で多重クラッシュが発生し、再びSCが導入される。SC先導中にトップのマシンがピットロードに入り後退し、岩佐歩夢は4番手になる。7周に渡るSC先導走行のあと、14周目からレースが再開された。15周目、ペースの上がらない岩佐歩夢に後続2台が襲いかかり、2台にパスされた岩佐歩夢は6番手にポジションを落とした。後続の追い上げから必死にポジションを守る岩佐歩夢だが、やはりペースが上がらず18周目に2台にパスされて8番手にダウン。その直後、岩佐歩夢を抜いた1台がスピンし7番手を取り戻した。最終ラップ、背後に迫るマシンからポジションを守り切った岩佐歩夢は、終始苦しい展開ながら7番手でフィニッシュ。レース後、上位車にペナルティが科されたため、岩佐歩夢は6位に繰り上がり3ポイントを獲得した。岩佐歩夢「全体としてペースの悪いレースになってしまいました。ウォームアップとスタートまではうまく行っていたのですが、レースになって1周目からブレーキの温度管理に問題が出てしまい、思うようなペースで走ることができませんでした。右リヤの温度が低いと警告が出て、それを改善しようとブレーキバランスをいじったり、温めようとしたりしている中で、マシン全体のバランスが崩れてしまい、ペースを上げることができない状態でした。これについてはエンジニアと改善する方法を話し合いますが、自分自身の反省として、カーボンブレーキの理解が足りない部分があったのかもしれません。クルマも、後ろに着くとペースが落ちるなどレースに合っていないところもあったので、それもフィーチャーレースに向けて改善して臨みたいと思います」27日(日)にはフィーチャーレースが行われた。予選6番手の岩佐歩夢は、3列目6番手からスタート。午後4時35分、気温26℃、路面温度36℃のコンディションでフォーメーションラップが始まったが、スタートの態勢が整わずフォーメーションラップがやり直しとなり、レース周回は27周となった。若干スタートで出遅れた岩佐歩夢は、後続に迫られますがポジションを死守し、1周目を6番手で終える。4周目、メインストレートで前車に並んだ岩佐歩夢は、第1コーナーでオーバーテイクを決めて5番手に浮上。ソフトタイヤでスタートした岩佐歩夢は、10周目にピットインしタイヤ交換を行い、11番手でレースに戻った。11周目、ソフトタイヤでスタートしたマシンがピットインを終えた時点で岩佐歩夢は9番手になるが、その後あまりペースが上がらず、12周目、13周目と立て続けに後続に抜かれ11番手にポジションを落とした。レース後半になってもあまりペースを上げることができず、前車との差は徐々に広がる状況となった。レース終盤、戦略の異なるマシンのピットインが行われ、24周目に全車がピットインを終えた時点で岩佐歩夢は7番手にポジションを上げた。しかし最終盤でも前を追うペースはなく、岩佐歩夢は7番手を守り切りレースを終えた。前日のスプリントレースに続いて入賞を果たした岩佐歩夢は6ポイントを加算。トータル10ポイントでランキング10位に浮上している。岩佐歩夢「結果としては、十分とは言えない結果に終わりました。スタートからソフトタイヤでのペースはよく、オーバーテイクもできる状態だったのですが、タイヤを交換してから少しバランスが悪く、ペースが上がらない状況になってしまいました。アンダーステアの症状が出て、アウトラップもかなり遅く、その後もなんとかアジャストしようとしましたが、なかなかうまくいかず、ようやくバランスがニュートラルになってきたのはレースが終わる頃でした。それでも、なんとかポジションを守って、ポイントを獲得できたのは少しポジティブなところだと思います。ミディアムタイヤとマシンの相性も悪かったようなので、具体的に何が悪かったのかはこれからしっかりチェックして、次に備えたいと思います」
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