元F1ドライバーのジャン・アレジは、息子ジュリアーノのF2でのキャリアを継続するための資金が不足していることを明らかにした。フェラーリ時代の1995年のF1カナダGPで勝利を挙げ、通算32回の表彰台を獲得したジャン・アレジは、息子ジュリアーノ・アレジがF1に到達するためにキャリアに資金を提供してきた。
しかし、彼の貴重な所有物であるフェラーリ F40を売却して資金を捻出したにもかかわらず、ジャン・アレジはF1を目指す息子のための資金繰りが立ち行かなくなってしまった。「我々には2021年にむけてスポンサーがいない。フェラーリは彼をアカデミーから解雇し、我々はもはや民間資金を調達することができない。私は自分のフェラーリ F40を売却した」とジャン・アレジは Blick に語った。「2020年に我々はHWAという間違ったチームに賭け、100万ユーロ(1億2400万円)以上を支払った。すべての約束が守られたわけではない。MPモータースポーツに切り替えたとき、HWAはさらに8万ユーロ(約950万円)を望んでいました。」ジュリアーノ・アレジ(21歳)は、2016年にシャルル・ルクレールとともにフェラーリ・ドライバー・アカデミーに参加したが、彼のキャリアはルクレールと同じように進むことはなかった。2017年と2018年にトライデントからGP3に参戦して4勝を挙げた、昨年はF2へステップアップしたトライデントとおもにF2へとステップアップしたが、15位で終えることしかできなかった。今年、HWA Racelabに移籍したジュリアーノ・アレジは、オーストリアでの開幕戦で有望な6番手からスタートしが、トップ10フィニッシュを記録することはできなかった。9月下旬のソチでの第10戦に先立ち、ジュリアーノ・アレジは、松下信治に代わってMPモータースポーツへと移籍したが、すぐに改善することはできず、ドライバーズランキングで17位につけている。シーズン開幕前の今年6月、ジャン・アレジはコスト削減策が講じられていないジュニアカテゴリーを批判していたが、それが現実のものとなってしまった。「今年は多くのドライバーとほぼすべての代表者にとって悪夢のようなシーズンになるだろう」とジャン・アレジは語っていた。「我々はF1の予算制限、コストの抑制について何ヶ月も話し合ってきたが、F2とF3ではどちらも何も行われていない」「それらは非常に高価なおもちゃであり、誰もこれを変えたくないようだ」フェラーリ F40の売却についてジャン・アレジは次のように語っていた。「現在の状況ではスポンサーを見つけることはミッション・インポッシブルだ。ガレージにフェラーリF40を置いておくことと、息子のレースを見ることは比較にならない。私が彼がレースをしているのを見ることの方を好む。今、F40を運転するには私は年を取りすぎている(笑)」フェラーリ F40は、1987年にフェラーリが創業40周年を記念して製作したリアミッドシップ・後輪駆動の2人乗りスポーツカー。公称最高速度は324km/hであり、発売当時は世界最速の市販車だった。中古車市場では約100万ユーロ(約1億2000万円)の価値がある。