FIA(国際自動車連盟)は、F1におけるフレキシブルウイング対策として、さらなる強化策として「動的テスト」の導入を排除していない。バルセロナでの週末、FIAでシングルシーター部門を統括するニコラス・トンバジスは非常に忙しい日々を過ごしていた。マクラーレン式の「しなる」フロントウイングに対し、より厳格な柔軟性チェックが新たに導入されたためだ。
だが、勢力図にはほとんど影響が見られず、マクラーレンは予選で引き続き1-2を維持した。「金の無駄だよ」と語ったのは、7度のワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトン。イタリア紙『ラ・ガゼッタ・デロ・スポルト』によると、ハミルトンは次のように続けた。「何も変わっていない。みんなのウイングは今でもしなってる。今はしなりの“途中”までしかいかないだけで、みんなが新しいウイングを作って金をかけただけ」「その金を全部チャリティに寄付したほうがよかったんじゃないかな」と、フェラーリ所属のハミルトンは付け加えた。トンバジスも、各チームがバルセロナでも巧妙な柔軟性のトリックを使っていることを否定しなかった。「各チームは、より剛性の高いウイングといくつかの空力的変更を施して対応してきた」と、土曜日にイタリア『Sky』に語っている。そして、動的テスト――つまり実際にマシンが走行している最中の挙動を評価する形式のチェック――も現在「検討中の選択肢」だと明かした。「まずは、計測の精度をどこまで高められるかを理解することが課題だ。現時点では、静的テストのキャリブレーション(較正)目的で動的テストを使っている」さらに今週末、各チームはFIAの要請により、通常使われているチタンの代わりに鋼鉄製の素材を車体下部に用いる実験も行っていた。「現時点ではまだ実験段階なので、評価するには時期尚早だ」とトンバジスは語る。「鋼鉄は重いが、これは全チームにとって同じ条件だ。我々としては、消耗率はチタンと大差ないと考えている」一部からは「鋼鉄では従来のような派手な火花が出ないのが残念だ」との声もあるが、トンバジスは次のように説明している。「これはあくまで、火災のリスクがあるサーキットでのみ使用することを想定している」
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