F1は、オーバーテイクよりもスピードを優先したことは間違いだったことを認め、2021年F1マシンは“1周あたり3~3.5秒遅くなる”が、“レース能力”は向上することになると語る。10月31日(木)、FIA 世界モータースポーツ評議会で新しいF1レギュレーションが全会一致で承認された。リバティ・メディアとFIA(国際自動車連盟)はF1アメリカGPに先立って2021年F1マシンのデザインを発表した。
新しいF1マシンは未来的な外観を備えているが、FIAのシングルシーター・テクニカルマターズ部長を務めるニコラス・トンバジスは、現行マシンよりもスピード面では遅くなることを明らかにした。「マシンはラップごとに約3〜3.5秒遅くなると予想している」とニコラス・トンバジスはコメント。「だが、我々はそれが重要なパラメーターだとは思っていない。レース性が主なターゲットだと感じている。パフォーマンスの正確なレベルには焦点を合わせていません」「現行マシンと比較してダウンフォースが最終的にどのようになるかを正確に予測することはない。開発が行われた後は少し少なくなるだろう。だが、CFDで開発され、風洞で開発された車でさえ、すでにかなりのパフォーマンスを獲得している」「それは、通常のチームと比較して、風洞で比較的少数の空気力学者と時間によって開発されたものだ」F1スポーティングディレクターを務めるロス・ブラウンは、F1は2017年にオーバーテイクよりもスピードを追求した際に構想を見失ったと認める。ロス・ブラウンは、新しい2021年F1マシンのデザインはその問題に対処していると考えている。「2016年から2017年までのマシンはダウンフォースが大幅に増加したが、それは私が理解できない理由で行われた。その経験を振り返る価値がある」とロス・ブラウンは説明した。「ダウンフォースを大幅に増加したのは『クルマの速度を上げましょう。F1を改善しましょう』という考えからだった」「しかし、我々が実際にやったことは、マシンはお互いにレースをすることができないことでF1をさらに悪化させた。」「現在、マシンは非常に高速だが、レースはできない。現実は、これらの新しいマシンのパフォーマンスは2016年の状況にある。誰もがマシンが遅くなることについて不満を抱いていないと思う」