2019年のF1世界選手権に向けた最初のF1プレシーズンテストとなる1回目のバルセロナテストが終了した。2月18日(月)から2月21日(木)の4日間にわたってスペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで行われた1回目のバルセロナテストは、降雪などを記録し悪天候が続いた昨年のバルセロナテストとは対照的に全日程で好天に恵まれた。
1回目のプレシーズンテストはパフォーマンスよりも信頼性を築き上げることが鍵となってくる。今年もF1カレンダーは21戦で開催され、ドライバーが年間に使用できるF1エンジン、ターボチャージャー、MGU-Hは3基までとなり、MGU-K、コントロールエレクトロニクス、エネルギーストアは年間2基となる。最も多くの周回数を走行したのはメルセデス W10。ルイス・ハミルトンが全ドライバーで最多の307周を走破。バルテリ・ボッタスも303周を走り、合計で610周を走り込んだ。2番手にはフェラーリ、3番手にはアルファロメオ、そして、ホンダ勢はトロロソが4番手、レッドブル・レーシングが5番手に続いている。エンジン別ではホンダが2015年のF1復帰以降、最も多くの周回数を走行。レッドブル・レーシングとトロロッソへの2チーム供給となったことでルノーよりも多くの周回数を走行。メルセデスのカスタマーのレーシングポイントがトラブルに見舞われ、ウィリアムズが1.5日しか走行しなかったこともあるが、3チーム供給のメルセデスさえも上回った。4日間の走行トップタイムを記録したのはルノーのニコ・ヒュルケンベルグ。ピレリの最も軟らかいC5タイヤで1分17秒393をマーク。昨年のポールタイム(1分16秒173)に1.220秒差まで迫った。しかし、ピレリは各タイヤコンパウンド間に0.6秒のパフォーマンス差があることを発表しており、均等にコンパウンド間に0.6秒の優劣をつけると以下のようなタイム順となる。1.シャルル・ルクレール(フェラーリ) - 1分16秒846 (C3 -1.2秒)2.セバスチャン・ベッテル(フェラーリ) - 1分16秒961 (C3 -1.2秒)3.ロマン・グロージャン(ハース) - 1分17秒363 (C3 -1.2秒)4.ルイス・ハミルトン(メルセデス) - 1分17秒377 (C4 -0.6秒)5.ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー) - 1分17秒393 (C5)6.ケビン・マグヌッセン(ハース) - 1分17秒520 (C3 -1.2秒)7.ピエール・ガスリー (レッドブル) - 1分17秒580 (C3 -1.2秒)8.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) - 1分17秒587 (C3 -1.2秒)9.アレクサンダー・アルボン(トッロッソ) - 1分17秒637 (C5)10.ダニール・クビアト(トッロッソ) - 1分17秒704 (C5)あくまで仮定の数字に過ぎないが、フェラーリが頭一つ抜き出ている。またタイムシートでは15番手だったレッドブルのピエール・ガスリーとメルセデスのルイス・ハミルトンとの差は0.203秒と十分に戦えるレベルであることもわかる。また、ハース、ルノー、トロロッソがコンマ5秒以内に位置しており、昨年同様に“ベスト・オブ・ザ・レスト”を戦いは非常に激しいものになると予想されている。ただし、各エンジンメーカーともにエンジンのパワーをフルには発揮しておらず、まだまだそのポテンシャルは測れない。第2回目のプレシーズンテストは2月26日(火)から3月1日(金)までの4日間、今回と同じスペイン・バルセロナのカタルニア・サーキットで行われる。各チームとも1回目のデータを踏まえ、エンジンもよりパワフルなモードを走らせることになり、開幕戦にむけて本格的にパフォーマンスを煮詰めるテストとなるため、より勢力図がはっきりしていくるだろう。2019年 F1バルセロナテスト1回目 総合タイム順位ドライバーチームDayベストタイムタイヤ1ニコ・ヒュルケンベルグルノー41分17秒393C52アレクサンダー・アルボントロロッソ41分17秒637C53ダニール・クビアトトロロッソ31分17秒704C54キミ・ライコネンアルファロメオ31分17秒762C55ダニエル・リカルドルノー41分17秒785C56バルテリ・ボッタスメルセデス41分17秒857C57ルイス・ハミルトンメルセデス41分17秒977C48シャルル・ルクレールフェラーリ41分18秒046C39セバスチャン・ベッテルフェラーリ11分18秒161C310ランド・ノリスマクラーレン41分18秒431C411アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ41分18秒511C312カルロス・サインツマクラーレン11分18秒558C413ロマン・グロージャンハース41分18秒563C314ケビン・マグヌッセンハース41分18秒720C315ピエール・ガスリーレッドブル41分18秒780C316マックス・フェルスタッペンレッドブル31分18秒787C317ピエトロ・フィッティパルディレッドブル31分19秒249C418ランス・ストロールレーシングポイント41分19秒664C219セルジオ・ペレスレーシングポイント11分19秒944C320ジョジ・ラッセルウィリアムズ41分20秒997C321ロバート・クビサウィリアムズ41分21秒542C2ドライバー別 周回数&走行距離順位ドライバーチーム周回数距離1ルイス・ハミルトンメルセデス3071429.085km2セバスチャン・ベッテルフェラーリ3031410.465km3バルテリ・ボッタスメルセデス3031410.465km4シャルル・ルクレールフェラーリ2951373.225km5アレクサンダー・アルボントロロッソ2681247.540km6アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ2551187.025km7キミ・ライコネンアルファロメオ2521173.060km8ニコ・ヒュルケンベルグルノー2471149.785km9ピエール・ガスリーレッドブル2381107.890km10マックス・フェルスタッペンレッドブル2371103.235km11ランド・ノリスマクラーレン2361098.580km12ダニール・クビアトトロロッソ214996.170km13カルロス・サインツマクラーレン209972.895km14ロマン・グロージャンハース198921.690km15ダニエル・リカルドルノー186865.830km16ランス・ストロールレーシングポイント151702.905km17ケビン・マグヌッセンハース125581.875km18セルジオ・ペレスレーシングポイント97451.535km19ピエトロ・フィッティパルディハース61283.955km20ロバート・クビサウィリアムズ48223.440km21ジョージ・ラッセルウィリアムズ40186.200kmマシン別 周回数&走行距離順位チームマシン周回数走行距離 1メルセデスW106102839.550km 2フェラーリSF905982783.690km 3アルファロメオC385072360.085km 4トロロッソSTR144822243.710km 5レッドブルRB154752211.125km 6マクラーレンMCL344452071.475km 7ルノーR.S.194332015.615km 8ハースVF-193841787.520km 9レーシングポイントRP192481154.440km 10ウィリアムズFW4288409.640km エンジン別...