F1は、テレビ視聴者にむけた音声を改善するためにF1マシンのエキゾーストに装着するマイクの開発に取り組んでいるという。2014年にF1にV6ターボハイブリッドが導入されて以降、かつてF1を盛り上げていたV8やV10時代の耳をつんざくような高音域のエンジンサウンドは失われた。
F1のコマーシャルディレクターを務めるショーン・ブラッチズは、テレビ視聴者の経験を改善する必要があることに同意しており、視聴者のためにエンジンの音量を上げる方法を調査していることを明らかにした。ショーン・ブラッチズは、F1がオースラリアのプロデュサーであり、スポーツ番組のイノベーターとして知られるデビッド・ヒルとともに専用機器に取り組んでいると語った。「彼はセラミック製のマイクを開発するためにドイツの企業と取り組んでいる。ファンのためにリアルなサウンドを増幅するために実際にエキゾーストパイプに装着できるマイクだ」とショーン・ブラッチズは述べた。元FOXスポーツの責任者であり、現在F1のCEOを務めるチェイス・ケアリの長年の仲間であるデビッド・フルは、レースでのF1放送業務やビギン・ヒルの本部でかなりの時間を費やしてきた。F1は、2015年にエンジンノイズの音量を上げるために“メガフォン”型のエキゾーストをテストしたが、最終的に採用は見送られている。エンジンサウンドの問題は、スポーティングディレクターを務めるロス・ブラウンが主導する将来のF1エンジンプラットフォームの策定においても重要な課題の一つとして議論されている。2021年にはF1により安価でシンプルなテクノロジーを使用した新たなエンジンが導入される予定になっており、そこではファンの耳にF1サウンドが戻ってくることが期待されている。