メルセデスの強さのひとつとされているFRICサスペンションシステムが、次戦F1ドイツGPで禁止されることになるかもしれない。ホッケンハイムでのレースまで2週間を切っているが、FIAは、大半のチームが用いているFRIC(Front-and-Rear Interconnected Suspension)システムが違法だと考えていることをF1チームに知らせた。
情報源によると、FIAは、FRICシステムのデザインを詳細に調査し、それらが規約に違反している旨を伝える手紙を8日(火)にチームに送ったという。FIAのチャーリー・ホワイティングは「全てのフロントとリアを繋ぐサスペンションシステムの現行デザインを研究し、FIAは全てのそのようなシステムが合法性に異議を唱えられるものだとの正式な見解に達した」とメモのなかで述べた。FRICシステムは、パフォーマンス改善のために恒常的な車高を維持するためにフロントとリアのサスペンションを繋いでいる。いわば合法的なアクティブサスペンションだ。チャーリー・ホワイティングは、ピットとロールをコントロールするFRICシステムが、可動空力デバイスを禁ずるテクニカルレギュレーションの3.15に違反していることを示唆した。FRICシステムは、2008年にロータス(当時ルノー)が最初に導入。その後、メルセデスがコンセプトを発展させ、より複雑なシステムを走らせているとみられている。だが、FRICの禁止によってどのチームが最も苦しむかは明らかにはなっていない。次戦F1ドイツGPまでテスト時間が限られており、FRICを前提に2014年マシンが設計されていることもあり、FIAは、チーム間でコンセンサスが取れれば、禁止を延期することにオープンな姿勢をみせちえる。FIAは、F1ドイツGPでの禁止ではなく、2015年のスタートまで禁止を延期するかどうか投票するようチームに求めた。しかし、延期を実現するには、全チームの満場一致での支持が必要となる。延期のために満場一致の支持を得るのがどれくらい簡単なことかは不明だ。特にFRICがライバルのものより劣っていると感じているチーム、またはまったくシステムを走らせていないチームがいるかもしれない。チャーリー・ホワイティングは、満場一致での支持がなければ、次戦F1ドイツGPからFRICを走らせたチームは、レギュレーションに従っていないとしてスチュワードに報告されるリスクがあることを明らかにしている。これにより、違法なFRICを使用しているチームをライバルが抗議することが可能になる。関連:・ロータス、速さの秘密はアクティブサスペンション? - 2013年4月19日・メルセデス、“FRIC”なる合法アクティブサスペンションを搭載? - 2013年3月16日
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