バーニー・エクレストンは、FIA(国際自動車連盟)のモハメド・ビン・スライエム会長を高く評価し、その手腕を全面的に支持した。また、自身が以前から主張している自然吸気エンジンへの回帰についても改めて持論を展開した。エクレストンはF1オーストリアGPで報道陣の取材に応じ、2021年からFIAを率いるビン・スライエムについて「これまで何か間違ったことをしたとは思えない」と語り、その改革姿勢を称賛した。
「何か悪いことをしたとは思えない」F1商業面を長年率いたエクレストンは、ジャン=マリー・バレストル、マックス・モズレー、ジャン・トッドと歴代FIA会長とも密接に仕事をしてきた経験を持つ。そのうえで、現会長のビン・スライエムにも高い評価を与えた。また、妻のファビアナ・エクレストンがFIA副会長(南米担当)を務めていることから、組織内部の事情にも理解があることを示している。「彼が何か悪いことをしたか考えてみているが、思いつかない」「彼が引き継いだ仕事は簡単ではなかった。すべてを公平に機能させ、少しずつ時代に合わせようとしていると思う」「もちろん、常に100%正しい判断を下すことはできない。しかし、現時点で彼がやるべきではなかったことをやったとは思えない。むしろ、今後やってほしいことが一つ二つある」望むのは3リッター自然吸気エンジンその「今後やってほしいこと」としてエクレストンが真っ先に挙げたのが、自然吸気エンジンへの回帰だった。「3リッターエンジンだ。V8でもV10でもV12でも構わない」「おそらく誰もがそれを歓迎すると思う。私はそれが正しい方向だと考えている」一方で、パワーユニットメーカーを説得する難しさについても理解を示した。「メーカーは十分だと思った時に、自分たちの都合で去っていくだけだ。誰かに相談するわけではない」現在F1では、将来的なV8エンジン復活について議論が進められている。FIA財政改革も高く評価エクレストンは、ビン・スライエム体制でFIAの財務状況が改善したことも大きな成果として挙げた。FIAは2021年に2400万ユーロの赤字を計上していたが、2025年度決算では670万ユーロの黒字を報告している。「彼は非常に難しい仕事を任された。自分が始めた問題ではないものを引き継いだからだ」「何をすべきか、何をすべきでないかを一つひとつ学びながら進めてきた。そして素晴らしい仕事をしていると思う」さらに、FIAが利益を生み出すことへの批判にも反論した。「財政面でもFIAを本来あるべき姿に戻している。FIAが利益を出すことに何の問題もない」「組織を維持するには資金が必要であり、各国クラブへの支援など彼が進めている活動にも資金は欠かせない」「彼自身は報酬目的でその職に就いているわけではない。スポーツのために最善を尽くそうとしているだけだ」24戦カレンダーとスプリントにも否定的エクレストンは現在のF1が採用している年間24戦のカレンダーとスプリントレースについても否定的な見解を示した。「どちらも間違っていると思う」「24戦というのは、ファンも含めて誰にとっても多すぎる。1戦見逃しても『また2週間後にあるだろう』となってしまう」「スプリントレースについては、何のためにあるのか私にはまったく分からない」また、自身がF1を率いていた頃を恋しく思うかと問われると、商業面での仕事には未練があるとしながらも、レースそのものへの執着はないと笑顔で振り返った。「恋しい部分もある。財政面で物事をまとめる仕事は好きだった」「でも、私はレースの最後まで観戦したことは一度もない。それが良かったのか悪かったのかは分からないが、自分の仕事は果たしたと思っている」今回の発言でエクレストンは、ビン・スライエム会長によるFIA改革を全面的に支持するとともに、自然吸気エンジンへの回帰や現在のF1フォーマットの見直しなど、自身が考える将来のF1像について改めて持論を示した。