優秀なドライバー達が、F1の財政問題の犠牲者となっている。近年、F1では実力よりもチームに資金を持ち込むことでシートを獲得する“ペイドライバー”が増加。昨年ザウバーのシートを失った小林可夢偉は、一説では10億円の持参金の持ち込みを要求されたとされている。後任には、メキシコの大富豪カルロス・スリム率いるテルメックスが支援するエステバン・グティエレスが座った。
過去には鈴木亜久里が立ち上げたスーパーアグリが財政難により消滅。2012年末にはHRTが消え、フォース・インディアも存続の危機が報じられている。財政危機の最新の犠牲者はマルシャに所属したティモ・グロック。マルシャはペイドライバーを求めて契約を解除。ティモ・グロックは、DTMに戦いの場を移すとみられている。「それがF1の現状だ」とティモ・グロックは述べた。「F1が再び変わることを願っているよ。スポーツとは無関係のことだからね」Bild や Auto Motor und Sport といったメディアは、現状のF1を“病気”だと表現。「問題を抱えていないのは、レッドブル、フェラーリ、マクラーレン、メルセデスの4チームだけだ」と Bild は報道。Auto Motor und Sport は「F1はどのようにして長期的に生き残るかについて疑問に思わなければならない」と主張。「我々はF1について心配しなければならない。HRTはなくなった。ケータハムとマルシャはペイドライバーとでしか生き残れない。ティモ・グロックやヘイキ・コバライネンといったドライバーが仕事を失っている」ベテラン記者ロジャー・ブノワは「2月末までに11チームが負債をすべて支払わなければならないとしたら、メルボルンでレースをするクルマは10台だけになるだろう」と述べた。ザウバーのチーム代表モニーシャ・カルテンボーンは、早急にコストを大幅に削減することが解決策だと考えている。「すぐに実施されなければ、F1は非常に危険な時代になるでしょう」とモニーシャ・カルテンボーンは述べた。
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