上海インターナショナル・サーキットのターン7での芝生火災について一晩中調査を行ったが、その原因についての答えは得られず、F1首脳陣は頭を悩ませている。FIA(国際自動車連盟)は20日(金)、F1中国GP初日にターン7内の芝生で発生した2件の火災について詳細な調査を開始した。
金曜午前中に行われた中国GPのプラクティスでは芝生が炎上し、赤旗中断を余儀なくされた。その後、スプリント予選の第1セッション終了時にも同じ場所で火災が発生。すでにセッションが終了していたため赤旗は出なかったが、SQ2の開始が遅れるきっかけにはなった。FIAは金曜の夕方に担当者を現地に派遣し、トラブルの原因を分析したが、はっきりとした結論は出ていない。F1マシンから飛び散った火花が芝生に投げ込まれ、それが火災の引き金になっていることは確かなようだが、何が原因でこれほど燃えているのかはわかっていない。週末までの作業中に芝生に可燃性の何かが捨てられた可能性があると考えられたが、芝生の上には可燃性物質や化学物質が存在した形跡はないと理解されている。また、メタンガスが地面からしみ出し、それに引火して火災が発生したという説もある。上海インターナショナル・サーキットは湿地帯の上に建設されているため、ガスが蓄積した可能性がある。また、会場の地下にはさまざまなパイプが通っているため、そのいずれかがひび割れた可能性もある。しかし、答えは出ていないものの、FIAはこの火災問題が再び繰り返された場合に問題が起きないよう対策を講じた。FIAからの短い声明によると、芝生には水が撒かれ、消防車両が出動して特別な予防措置が取られたという。「昨日のセッションでなぜ芝生火災が発生したのかはまだ不明だが、今日のサーキット走行に向けて予防措置を講じている」。「影響を受けたエリアの芝生に散水し、ターン7には緊急消防対応チームを待機させる」