フェラーリのシャルル・ルクレールは、F1サンパウロGP決勝の1コーナーで起きた接触について、マクラーレンのオスカー・ピアストリだけを非難するのは不当だと語った。レース再開直後、ピアストリがメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリのインに飛び込み、そこで生じた接触がルクレールのSF-25を直撃。左前輪を失ったルクレールは、無念のリタイアを喫した。
「ルール通りではあるけれど、実際はもっと複雑だ」「スチュワードたちはルールブックに従って最善を尽くしていると思う」とルクレールは語り始めた。「ただ、今回のケースでは、キミ(アントネッリ)はオスカー(ピアストリ)がイン側にいることを分かっていたはずだ。確かに、ルール上は“サイド・バイ・サイド”ではなかったかもしれない。でも、たとえ距離が少し離れていても、誰かがイン側にいるのに、まるで誰もいないかのようにコーナーへ進入することはできないと思う」「だから僕の見方では、これはキミとオスカーの“50対50”の責任だ。オスカーだけがすべての責任を負うべきではないと思う。でも、もう結果は変わらないし、僕にとっては本当に悔しいレースの終わりになった」「表彰台は十分狙えた」3番グリッドという好位置からスタートしたルクレールは、前戦メキシコとオースティンで連続表彰台を獲得しており、この日も再び上位フィニッシュが見込まれていた。「表彰台以上に何かできたかは分からないけれど、少なくとも表彰台には立てたはずだ」と28歳のルクレールは肩を落とした。フェラーリはこのリタイアで大きな痛手を負い、ルイス・ハミルトンも完走できなかったことで、チームはコンストラクターズ選手権で4位に後退している。ルクレールの見解が示すものルクレールの発言は、ペナルティを科されたピアストリを擁護するだけでなく、アントネッリの判断にも一石を投じるものとなった。経験豊富なドライバーとして、彼は若手同士の接触を単なる「加害・被害」の構図ではなく、レースシチュエーション全体の文脈で捉えている。今回のレースではフェラーリがダブルリタイアに終わったが、ルクレールの冷静な分析は、チームとして今後の接近戦における判断基準の見直しにもつながるかもしれない。