カルロス・サインツは、2027年に向けてF1がエンジン出力配分を見直す方針を打ち出した一方で、次に解決すべき課題として“アクティブエアロ時代のDRSトレイン問題”を挙げた。2026年から導入された新レギュレーションでは、従来のDRSが廃止され、代わりにフロントウイングとリアウイングを連動させるアクティブエアロシステムが採用された。
これにより全車がストレート区間でドラッグを低減できるようになったが、その結果として“前車も後車も同じ速度向上を得る”状況が生まれ、オーバーテイクが極めて難しくなっている。マイアミGPでは、この影響による“DRSトレイン状態”が各所で発生していた。サインツ「前車がストレートモードなら抜けない」カルロス・サインツ(ウィリアムズ)は、RacingNews365を含むメディアに対し、現在のシステムではオーバーテイクが成立しづらいと問題提起した。「前のクルマがストレートモードに入っている状況への解決策を見つける必要があると思う。オーバーテイクは不可能だからね」「これはDRSトレインと非常によく似た状況だ。何か改善策を見つけられるかもしれない」サインツは、2026年型マシンの“レースの質”そのものについても慎重な懸念を示した。「そもそも、このレギュレーションでレース自体が本当に問題だったわけではない」「予選については、まだ改善の余地がかなりある。ただ、もう単純に批判するつもりはない。建設的であり続けたいし、これはF1として十分良い状態ではないと訴え続けたい」FIAへの評価も口にしたサインツ一方でサインツは、FIAがマイアミGP週末に見せた対応力については高く評価した。FIAは週末を通じて“ヒートハザード”や雨天時の視界問題、インターミディエイトタイヤへの懸念などに直面していたが、決勝スタート時刻を前倒しするなど柔軟な対応を実施していた。「FIAはインターミディエイトタイヤに関するウェットコンディションの懸念にも耳を傾けてくれた。レース開始を前倒しした判断には満足している」「彼らを責めることはできない。素晴らしい仕事をしているし、今は皆が同じ方向を向いて動いているように見える」“全車DRS化”が生んだ新たな副作用2026年レギュレーションでは、重くなった車体と大型化したバッテリーによるドラッグ増加を補うため、アクティブエアロが導入された。しかし従来のDRSと違い、“後続車だけが使える武器”ではなくなったことで、先行車も常時トップスピードを伸ばせる状態となり、結果として追い抜きの決定力が弱まっている。F1はすでに2027年に向けて、内燃エンジンと電力出力の比率を50対50から60対40へ変更する方針を示しているが、サインツの発言は“次は空力側の見直しが必要だ”という新たな論点を浮き彫りにした形だ。