元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは、2025年シーズンにおけるザウバーの復調を受け、カルロス・サインツJr.がウィリアムズを選んだ決断を後悔しているのではないかと語った。2024年、フェラーリのシートをルイス・ハミルトンに奪われたサインツは、ドライバー市場の中心人物となり、移籍先としてウィリアムズとザウバー、さらにはアルピーヌが候補に挙がっていた。
最終的にサインツは、ジェームス・ボウルズ率いるウィリアムズの進歩に期待を抱き、その加入を決断。多くの関係者は2026年からアウディとしてF1に参戦するザウバーを選ぶと予想していただけに、意外な選択だった。しかし、昨年コンストラクターズ最下位に沈み、1レースでしかポイントを獲得できなかったザウバーは、2025年に入ってから見違えるようなパフォーマンスを発揮。ニコ・ヒュルケンベルグがシルバーストンで2012年以来となる表彰台を獲得し、中団勢としての地位を確立しつつある。その変化をもたらしたのが、元レッドブルのスポーツディレクター、ジョナサン・ウィートリーの加入だった。ギュンター・シュタイナーは、そんな現状を踏まえてサインツの選択に疑問を呈した。ポッドキャスト『The Red Flags Podcast』で次のように語っている。「そうだ(Gas)──パフォーマンスのこともあるが、それだけじゃない。マッティア(ビノット)の時代にフェラーリで走っていたことも関係していると思う」「彼はいまウィリアムズでいい経験をしていないんじゃないか。かなり苦しんでいるように見えるし、カルロスは本当にいいドライバーだ」「シーズン序盤は好調だったが、それも主にアレックス(アルボン)によるものだった。カルロスは目立った結果を一度も残せていない」「だから当然、ある程度のフラストレーションは溜まっているはずだし、過去を振り返って『アウディにしておけばよかった』と思っているかもしれない。だけど、決断した以上、それを受け入れるしかない」メルセデスとレッドブルにも見送られたサインツフェラーリ離脱後、サインツは一時メルセデスやレッドブルへの移籍の可能性も噂されたが、両チームとも最終的には別の選択をした。メルセデスはルイス・ハミルトンの後任として自前のジュニア育成ドライバー、アンドレア・キミ・アントネッリにチャンスを与える道を選んだ。サインツはポッドキャスト『The High Performance』に出演した際、メルセデスとの交渉について次のように明かしている。「正直なところ、(契約に)本当に近づいていたとは言えない。トト(・ウォルフ)や他の関係者と多くの話はしたし、候補のひとりだったことは確かだけど、どの程度真剣に検討されたかはトトに聞いてほしい」「でも彼は、キミ・アントネッリにとても満足していると思うよ」