2026年F1イギリスGPのセーフティカー(SC)フィニッシュを受け、元F1チーム代表のオトマー・サフナウアーが、レース終盤は赤旗中断に切り替えるべきだったとの考えを示した。現行ルールに従ったFIAの判断は認めつつも、「ファンのため」を優先する運営が可能だったと主張している。シルバーストンでは終盤のアクシデントによりSCが導入されたが、周回遅れ車両のラップバック(周回遅れの解消)手順を実施したことで、再スタートに必要な周回数が不足。レースはそのままSC先導のままチェッカーフラッグを迎えた。
さらにタイミングモニターには一時的に「SC IN」と誤表示され、最終ラップで再開されるとの期待が広がったものの、実際にはソフトウェアの不具合による誤表示だった。サフナウアー「赤旗ならファンも最後まで楽しめた」ポッドキャスト『High Performance Racing』に出演したサフナウアーは、現行規則では周回遅れ車両を先行させた後、さらに1周を挟まなければレースを再開できないことを説明した。「周回遅れのマシンを先に行かせた後は、レースを再開するために丸々1周必要になる」「でも、ラップバックを始めた時点で、その1周分はもう残っていなかった。だからSC先導のままフィニッシュするしかなかった」そのうえで、別の選択肢として赤旗中断を提案した。「もし赤旗を出していれば、SC先導で何周も消化する必要はなくなるし、レース周回も確保できる」「さらに全車がソフトタイヤに交換して、最後はスプリント勝負になる。ファンにとっても素晴らしい展開になったはずだ」レースディレクターにも直接提案サフナウアーは、この考えを単なる私見では終わらせず、FIAレースディレクターのルイ・マルケスにも直接伝えたことを明かした。「もちろんFIAは現行ルールに従っていた。それは理解している」「でも、赤旗を出すという選択肢はあった。十分に可能だったと思う」サフナウアーによれば、マルケスは「そのために赤旗を出すのか?」と驚いたという。それに対してサフナウアーは、次のように返答した。「違う。ファンのために赤旗を出すんだ」「ファンのために赤旗を出すことは、ルール違反ではない」2021年との違いも強調サフナウアーは、2021年アブダビGP終盤の運営を引き合いに出しながら、今回は規則を曲げる必要はなかったと主張した。「最後をもっと盛り上げたいのであれば、そしてルールも守りたいのであれば――2021年のようなことをするのではなく、赤旗を出せばよかった」SCフィニッシュを巡る議論は続く今回のイギリスGPでは、FIAは現行スポーティングレギュレーションに従ってSC運用を実施した。一方で、最終ラップのバトルを期待していたファンからは物足りなさを指摘する声も多く、サフナウアーの提案は「エンターテインメント性」と「競技の公平性」のバランスを巡る新たな議論を呼びそうだ。今後、同様の状況で赤旗を積極的に活用すべきかどうかは、F1運営における一つの論点となる可能性がある。