ブリヂストンが、2010年F1中国GPの展望を語った。上海インターナショナル・サーキットでは、ハード、ソフト両コンパウンドドライタイヤが使用される。上海は2本の長いストレートと16ヶ所の多様なコーナーが混在する全長5.45kmのコースである。非常に大きな横Gを受け、ハードブレーキングとトラクションが必要になるこのサーキットで、タイヤは様々な課題に遭遇する。
ターン2とターン7はタイヤのグレーニングを誘発しやすく、一方ターン7から8にかけて大きな横Gが発生するため、タイヤのコンストラクションと耐熱性能が試される。またターン13のバンクと同様に、1周全体を通じて勾配の変化も見られる。安川ひろし (ブリヂストンモータースポーツ推進室長)「中国は成長著しい自動車市場であり、ブリヂストンは中国GPのように存在感の大きなイベントで効果的に自社テクノロジーを宣伝・普及することができます。当社は中国でタイヤ製造工場をはじめとして、天然ゴム、合成ゴム、スチールコードなどの原材料工場、テクニカルセンター、プルービング・グラウンド、多数の多角化製品工場を展開しています。中国は私たちにとって大変重要な場所なのです」 浜島裕英 (ブリヂストンMS・MCタイヤ開発本部フェロー)「上海インターナショナル・サーキットはタイヤに非常に厳しいコースです。横からの力が非常に大きく、特に大きく回り込んだターン2とバンクのあるターン13で、左フロントタイヤにグレーニングが発生すると予想しています。ここではリアタイヤにもグレーニングが発生する可能性があります。こうしたコースの過酷さに加えて今年はマシン重量も増加したため、2009年よりも一段階ハード側のタイヤアロケーションを実施します。このサーキットは2本の長いストレートを擁していますが、大部分が曲がりくねったテクニカルなレイアウトになっているため、中程度のダウンフォース・セットアップを採用することになります。チームとドライバーにとっては、タイヤの力を十分引き出せる、適正なセットアップを見つけることが大きな課題になるでしょう。昨年の課題は天候で、レースのほとんどでウェットタイヤを使用しました。中国でウェットコンディションになったのは初めてではないので、今週末の空模様を考慮することが必要になるでしょう」
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