2025年のF1世界選手権 第21戦 サンパウロGPの金曜唯一のプラクティスセッションが11月7日(金)に行われ、ランド・ノリスが最速タイムを記録し、マクラーレンのチームメイトであるオスカー・ピアストリ、そしてキック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグを抑えて首位に立った。今季5回目となるスプリントフォーマットが採用される今週末、ドライバーとチームはスプリント予選がこのあと行われる前に、わずか1時間のプラクティスでサーキットを把握し、マシンを仕上げなければならなかった。
当然ながら、現地時間11時30分過ぎのセッション開始時にはピットレーン出口に車列ができ、20台すべてがハードコンパウンドタイヤで走行プログラムを開始した。しかし開始から10分以内にドラマが発生。角田裕毅がデシーダ・ド・ラーゴの出口でレッドブルのコントロールを失い、バリアにスライドして多重ヒット。フロントとリアにダメージを負った。角田裕毅はなんとかピットまでマシンを戻すことに成功したが、メカニックたちは修復作業に多くの時間を費やすことになり、インテルラゴスでの週末序盤としては厳しいスタートとなった。全ドライバーが計測ラップを終えた段階では、メルセデスのジョージ・ラッセルが1分11秒188でトップに立ち、4度の世界王者マックス・フェルスタッペンがそれに続き、ウィリアムズのカルロス・サインツ、そして2台のフェラーリがこれに続いた。一方、オートドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ特有のタイトでテクニカルなレイアウトにより、トラフィックによる影響も目立った。キミ・アントネッリ、アイザック・ハジャー、ラッセル、ノリスらがハードタイヤ走行中に前走車に引っかかる場面が見られた。セッションが進むにつれ、各ドライバーがより柔らかいタイヤを試すようになり、セクターごとのグリーンやパープルが相次いで計測板が大きく動いた。その中でノリスがミディアムタイヤで1分09秒975を記録し、新たなベンチマークを打ち立てた。ピアストリはチームメイトにわずか数百分の数秒差で続き、ドライバーズタイトルを争う2人の接戦が続く。一方、もう一人のタイトル候補フェルスタッペンは、ソフトタイヤでの終盤アタックを途中で中断し、代表的なタイムを残せなかった。キック・ザウバーは週末の滑り出しで存在感を示し、ヒュルケンベルグが3番手、母国のガブリエル・ボルトレトが5番手と健闘。2人の間にはアストンマーティンのフェルナンド・アロンソが4番手に入った。序盤にハードタイヤでトップに立っていたラッセルは、最終的に首位から0.5秒差の6番手へ後退。サインツ、ハジャー、メルセデスのチームメイトであるアントネッリ、そしてレーシングブルズのリアム・ローソンがこれに続いた。ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンは12番手で終え、ハースF1チームのエステバン・オコンとオリバー・ベアマン、アストンマーティンのランス・ストロール、契約更新を発表したアルピーヌのフランコ・コラピント、そして代表的なタイムを出せなかったフェルスタッペンが続いた。フェラーリ勢は控えめな内容で、シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンはいずれもハードタイヤで走行を終え、18番手と19番手。ハミルトンは終盤メルグーリョの出口でスピンを喫した。最下位は角田裕毅だった。ドライバーとチームはこのあとインテルラゴスのパドックに戻り、セッティング変更を検討。現地時間15時30分に開始予定のスプリント予選へと臨む。F1 サンパウロGP フリー走行1回目 結果・ラップタイム1.ランド・ノリス(マクラーレン) - 1分09秒9752.オスカー・ピアストリ(マクラーレン) - 1分09秒9983.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー) - 1分10秒5944.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) - 1分10秒6065.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー) - 1分10秒6166.ジョージ・ラッセル(メルセデス) - 1分10秒6457.ピエール・ガスリー(アルピーヌ) - 1分10秒6818.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) - 1分10秒6869.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ) - 1分10秒70710.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) - 1分10秒74411.リアム・ローソン(レーシングブルズ) - 1分10秒79412.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ) - 1分10秒80713.エステバン・オコン(ハース) - 1分10秒90614.オリバー・ベアマン(ハース) - 1分10秒96115.ランス・ストロール(アストンマーティン) - 1分11秒07016.フランコ・コラピント(アルピーヌ) - 1分11秒16017.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) - 1分11秒36818.ルイス・ハミルトン(フェラーリ) - 1分11秒49319.シャルル・ルクレール(フェラーリ) - 1分11秒52620.角田裕毅(レッドブル) - 1分11秒763