マックス・フェルスタッペンが、2025年シーズンの初スプリント勝利をベルギーGP週末で挙げた。レッドブルのドライバーは、オスカー・ピアストリを1周目で見事にオーバーテイクし、最後までリードを守り抜いた。ポールポジションから好スタートを決めたピアストリだったが、ケメルストレートでスリップに入ったフェルスタッペンがターン5で前に出て首位を奪取。
その後レースが後半に入ると、ピアストリとランド・ノリスのマクラーレン勢がフェルスタッペンに迫ったが、オランダ人ドライバーはDRSとバッテリーの駆け引きを制し、0.753秒差で逃げ切った。ノリスはピアストリに続く3位、フェラーリのシャルル・ルクレールは序盤に一時ノリスを抜いたものの最終的には4位に終わった。ハースのエステバン・オコンが5位、ウィリアムズのカルロス・サインツが6位、ハースのオリバー・ベアマンが7位、レーシングブルズのアイザック・ハジャーが8位で、ここまでがポイント圏内となった。スパでのスプリントスタート直後、ピアストリが先行もフェルスタッペンが猛追このスプリントは今季3戦目となる100kmレース形式で、金曜の1回のみのプラクティスとスプリント予選でグリッドが決定。上位8台にポイントが付与される方式だ。スプリント予選では、ピアストリが1分40秒510の驚異的なタイムで今季初のスプリントポールを獲得。フェルスタッペンに0.4秒以上の差をつけ、ノリスは3位につけた。一方でメルセデス勢は苦戦し、ルイス・ハミルトンはSQ1で敗退して18番手。キミ・アントネッリは最下位の20番手、ジョージ・ラッセルもSQ2で敗れ13番手だった。スプリント直前にはフランコ・コラピント(アルピーヌ)がリアウイング変更によりピットレーンスタートへ変更。また、ピエール・ガスリーも冷却系の水漏れトラブルでグリッド上からマシンを下げられ、出走できなかった。全車がミディアムタイヤを選択する中、唯一ピットスタートのコラピントのみがソフトタイヤを選択。だがガスリーは最終的に2周遅れで出走するも、レースを通してテスト的走行にとどまった。レース開始直後、ポールのピアストリが好スタートを決めたが、ケメルストレートでスリップに入ったフェルスタッペンがターン5で見事なオーバーテイク。背後ではルクレールがノリスを抜いて3位に浮上した。オコンが5位をキープし、サインツが6位、ベアマンが7位、ハジャーが8位と続いた。ハジャーは、ガスリーが出走できなかったことで1つ順位を繰り上げていた。レースが進む中、ピアストリは0.5秒以内でフェルスタッペンを追走するも、追いつくには至らず。一方でノリスが再びルクレールを抜いて3位に返り咲く。ピアストリ、フェルスタッペンを追うも届かずさらに後方では、アントネッリがニコ・ヒュルケンベルグを抜いて17位へ浮上。スプリント予選の雪辱を果たすべく奮闘していた。7周目、ハミルトンは「リアがもうない」と無線で報告。前日のスピンで予選18位に沈んだフェラーリ勢としては苦しい展開となった。9周目には、アントネッリがハミルトンに迫り、かつての“前任者”とのバトルを展開。そのころ、ノリスとピアストリの差は0.6秒、ピアストリとフェルスタッペンの差も同様で、3台による接近戦に突入する。11周目、ピアストリがアウト側からフェルスタッペンを狙う場面もあったが、チャンピオンは冷静に対応。「ブレーキがきかない」とフェルスタッペンは報告したが、最終コーナーでの小さなミス以外は完璧に近い走行を維持。ノリスには「ピアストリのバッテリーは中程度」との情報が入り、チームメイト同士の駆け引きも緊迫したものとなる。中団では、アレックス・アルボンとフェルナンド・アロンソが14位争いを繰り広げ、バトルが各所で展開された。結局、ピアストリはフェルスタッペンに食らいつき続けるも、逆転には至らず。レッドブルのフェルスタッペンが0.753秒差でトップチェッカーを受け、2025年シーズン初のスプリント勝利を手にした。ノリスはさらに0.6秒差の3位で続き、4位ルクレール、5位オコン、6位サインツ、7位ベアマン、8位ハジャーまでがポイント圏内に入った。9位にはキック・ザウバーのガブリエル・ボルトレト、10位にはレーシングブルズのリアム・ローソンが続いた。レッドブルの角田裕毅は11位、メルセデスのラッセルは12位で惜しくもポイント圏外。アストンマーティン勢のランス・ストロールとアロンソが13・14位、ハミルトンは15位と不本意な結果に終わった。16位はアルボン、以下アントネッリ、ヒュルケンベルグ、コラピント、ガスリー(リタイア)と続いた。マックス・フェルスタッペンが0.753秒差でスプリント優勝フェルスタッペンのコメント:「すごくうまくいった。マクラーレンに対して唯一のチャンスがあるとしたら、ターン5しかないと思ってたんだ。後ろをキープするのはかなり難しかったけど、DRSやバッテリーの駆け引きで、まるで“猫とネズミ”みたいなレースだった。全体を通じて7〜8秒の差だったから、ミスは許されなかった。最終コーナーで小さなミスはあったけど、それ以外は完璧だったし、スパで勝てたのは嬉しい。スプリントとはいえ、勝ちは勝ちだから、僕らがやったことにはとても満足してる」2025年F1 ベルギーGP スプリント 順位・結果1.マックス・フェルスタッペン(レッドブル)2.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)3.ランド・ノリス(マクラーレン)4.シャルル・ルクレール(フェラーリ)5.エステバン・オコン(ハース)6.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)7.オリバー・ベアマン(ハース)8.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)9.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)10.リアム・ローソン(レーシングブルズ)11.角田裕毅(レッドブル)12.ジョージ・ラッセル(メルセデス)13.ランス・ストロール(アストンマーティン)14.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)15.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)16.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)17.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)18.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)19.フランコ・コラピント(アルピーヌ)DNF.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)