岩佐歩夢(TEAM MUGEN)は8月10日(日)、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第8戦東北大会の決勝でポール・トゥ・ウインを達成し、シリーズ初優勝を飾った。今季初のポールポジションからスタートした岩佐歩夢は、雨のスポーツランドSUGOで終始トップを守り抜いた。決勝日は朝から雨となり、全車がレインタイヤでセーフティカー(SC)先導スタート。6周目にレースが本格開始されると、予選2番手のサッシャ・フェネストラズ(トヨタ)がテール・トゥ・ノーズで迫ったが、岩佐歩夢は冷静なディフェンスで首位を死守した。
9周目、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)のコースオフでSCが導入。再開後も岩佐歩夢は絶妙な加速でフェネストラズを引き離し、後方ではイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)が一時5位に浮上するも、福住仁嶺(トヨタ)に抜き返され6位に後退。21周目には三宅淳詞(ThreeBond Racing)と大嶋和也(トヨタ)の接触で再びSCが導入された。28周目にレースが再開されても、岩佐歩夢はフェネストラズの攻撃を許さず、30周過ぎに雨が強まる中でもペースを維持。2度のSC導入により規定周回前に時間切れとなったレースを48周で走り切り、トップチェッカーを受けた。Honda/M-TEC勢はイゴール・オオムラ・フラガが6位、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が16番手スタートから8位、牧野任祐(同)が10位に入りポイントを獲得。ランキングでは岩佐歩夢が首位の坪井翔に5点差の2位へ浮上、太田が3位につけた。岩佐歩夢(TEAM MUGEN)「まずはやっと優勝できて、嬉しいのひとことですね。ここまで時間がかかってしまったというのは本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも、ここまでずっと優勝できなかった期間、応援し続けてくださったファンやスポンサーの方々、チーム、ホンダのみなさんに感謝したいです。ただ、ここから本番の戦いが始まるというか、今週見せた自分たちのスピードだったり強さみたいなものを引き続き見せていくタイミングだと思っています。今日終わるまではしっかり喜んで、明日から切り替えて、次戦に向けてしっかり準備していきたいなと思います。1勝の重みはゆくゆく変わってくるんじゃないかなと(苦笑)。今はこの1勝に対する重みは全然感じていないというのが正直なところです。去年からスピードがあったりなかったりという状況があって、いろいろトラブルもあって、今年は基本的にスピードはあるけどトラブルで落としてしまうレースがいくつかあって、まとめきれなかったのが(優勝するのに)ここまで時間がかかった要因だと思っています。(今日のレースで)しっかりそれ(優勝)ができるということを自分たちで確認できたので、さらにそれをベースにスピードやパフォーマンスを上げながら、引き続き戦っていくだけかなと思っています。フリー走行の時から(タイヤが)キツくなるのは分かっていたので、レースの始めからマネージメントして、F2の時の経験を活かしてやりきったという感じでした。最後のペースもそんなに悪くなかったですし、ペース配分だったりをどこでマネージメントして、どこでプッシュしてとか、ドライバーとして最大限のパフォーマンスを見せることができたのは自分の経験が活きたかなと思います。やっと(チャンピオンシップを)戦える位置に戻ってきたというか、ここからが勝負になると思っています。もちろん簡単にはいかないと思っていますし、それは身に沁みて感じているので、全力プッシュするだけだと思います」
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