2026年F1シーズンで苦戦が続くアストンマーティン。フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは依然としてノーポイントで、コンストラクターズランキングでも最下位に沈んでいる。しかし、その深刻なパフォーマンス不足が、皮肉にも2026年F1レギュレーション下では“メリット”として働いている可能性が浮上した。
イタリアの『Motorsport Italia』によると、アストンマーティンのAMR26はコーナリング速度が極端に低いため、他チームよりもエネルギー回生を行いやすい状況にあるという。“遅いマシン”だから電力を回収できる皮肉2026年F1では、電動出力依存の増加によって、各チームがエネルギーマネジメントに苦しんでいる。ドライバーたちは「バッテリー残量を維持するためにコーナーで抑えなければならない」と不満を口にしてきたが、アストンマーティンにはその問題が比較的少ないという。理由は単純だ。AMR26はもともと高速コーナーで十分なスピードを持っていないため、エネルギー消費量そのものが少ない。報道によると、アストンマーティンは高速コーナーで最大12mph(約19km/h)も他チームより遅い区間が存在するという。ホンダ製パワーユニットの出力不足が進入速度を制限しているだけでなく、コーナリング中盤から立ち上がりまで全域で苦戦しているとされる。結果として、他チームが“電力を使い切る”状況でも、アストンマーティンは比較的容易に回生エネルギーを維持できているという、奇妙な構図が生まれている。アロンソ「大型アップデートは夏休み後」フェルナンド・アロンソは、アストンマーティンが大規模アップデートを投入するのは少なくとも第12戦オランダGP以降になると説明している。小規模改良を積み重ねるのではなく、一気にマシン特性を変える“変革型パッケージ”を投入する方針だ。それまでアロンソとストロールにとって、通常の展開でポイント獲得を狙うのは極めて困難とみられている。記事では「近年のF1でも屈指の大荒れレースでも起きない限り厳しい」とまで評されている。ホンダ救済へ? F1各陣営が追加支援で合意一方で、F1各チームとFIAは、競争力不足に陥ったパワーユニットメーカーへの追加支援策について合意した。これは「ADUO(追加開発・アップグレード機会)」と呼ばれる制度で、当初は2%および4%の性能差が基準として検討されていたが、最終的には“10%以上遅れているメーカー”を救済する方向へ調整が進められている。現時点では、その対象としてホンダが想定されているとの見方が強い。もっとも、ホンダはレッドブル時代に圧倒的成功を収めた実績を持つだけに、ライバル勢が将来的に「支援したことを後悔する可能性もある」と記事は指摘している。“遅さ”が露呈させた2026年F1規則の歪み今回のアストンマーティンのケースは、2026年F1レギュレーションが抱える構造的問題を象徴している。本来なら速く走るための空力効率やコーナリング性能が、逆にエネルギー消費の増大につながり、ドライバーが意図的にペースを抑えなければならない状況が発生している。その一方で、“そもそも速く走れないマシン”の方がエネルギー管理では有利になるという現象は、多くの関係者が懸念してきた「レースよりエネルギーマネジメント優先」の現実を浮き彫りにしている。FIAと各チームが2027年に向けて60対40への出力比変更を進める背景には、こうした“歪み”への危機感もあると言えそうだ。Source: F1 OVERSTEER
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