アストンマーティンは、2026年シーズン序盤に深刻化した振動問題について、FIAの介入は不要との立場を明確にした。中国GPではフェルナンド・アロンソが走行中にステアリングから手を離す場面が確認され、最終的にリタイア。この問題を受けてFIAが調査に乗り出したとみられていたが、チーム側はあくまで自らの対応で解決可能と判断している。
振動問題への対応と日本GPでの前進直近の日本GPでは対策が施され、アロンソは完走。これがアストンマーティンにとって今季初の完走となった。チームは4月の開発停止期間を活用し、ホンダと連携しながら信頼性の改善と長期的な解決策の模索を進めている。振動はドライバーの操作性や安全性にも直結する問題であり、エイドリアン・ニューウェイはオーストラリアの段階で「恒久的な神経損傷の可能性」に言及していた。単なるパフォーマンス課題ではなく、根本的な設計・統合領域の問題として扱われていることが分かる。クラックが強調する“チーム内での解決”マイク・クラックは、振動問題に対するFIAの関与について明確に否定した。「正直なところ、これ以上付け加えることはない。我々はまず自分たちでこの問題を解決したいし、誰かに言われてやる必要はない」「中国GPの後にはレビューを行ったし、ランスが止まった件についても同様だ。技術的な観点だけでなく、運用面でも『この状況にどう対応したか』を見直す必要がある」「これはどのチームでも行うべきガバナンスであり、いわば“ハウスキーピング”だ。我々はそれを実行したし、この対策が機能することを願っている」FIA介入を拒む背景にあるスタンス今回の発言から見えるのは、アストンマーティンが問題を“外部規制の対象”ではなく、“内部改善の対象”として捉えている点だ。FIAが安全面から監視する可能性がある状況でも、チームは自主的な検証と改善プロセスを優先。これは開発主導権を維持したい意図と同時に、問題の本質が単純なレギュレーション対応ではなく、車両全体の統合設計にあるとの認識を示している。ホンダとの共同対応や日本GPでの一定の改善を踏まえると、短期的な対症療法から中長期の構造的解決へと移行している段階にある。振動問題は依然として完全解決には至っていないが、チーム内部ではすでに“次のフェーズ”に入っていることがうかがえる。