メルセデスとの契約が2025年末で切れるジョージ・ラッセル。将来が不確かな中で、2026年のF1大変革期に向けて去就が注目されているが、アストンマーティンはその“受け皿”となる可能性を否定する構えを見せている。チーム代表アンディ・コーウェルは、現在のドライバーラインアップ――フェルナンド・アロンソとランス・ストロールの契約継続――が「2026年に向けた準備における安定性」として機能していると強調。
これにより、ラッセルにとってアストンマーティンが“プランB”となる道も閉ざされた可能性がある。コーウェル「アロンソとストロールの存在が大きな助けに」アストンマーティンは2026年からホンダと新たなパワーユニット契約を結び、エイドリアン・ニューウェイを迎えて技術体制を刷新。大規模な体制変更に直面する中で、コーウェルは現在のドライバー陣の継続が鍵だと語る。「我々は非常に幸運だ。2026年に向けて、ホンダとのPU開発、ニューウェイによる空力設計、新施設など変化の連続だ。しかしランスとフェルナンドという2人の安定した存在があるからこそ、我々は今この段階で2026年以降を見据えた開発ができている」「彼らは風洞実験での空力議論にも関与し、ドライバー環境――例えばコックピットのスペースといった――についてもフィードバックをくれている。エイドリアンはコックピットを非常にタイトにする傾向があるが(笑)、そうした設計にも彼らの意見が反映されている」ラッセル、メルセデス残留は「極めて高い」も契約未定一方、ラッセルは「自分が2026年にメルセデスにいない可能性は極めて低い」としながらも、依然として契約延長の発表はなく、不透明な状況が続いている。マックス・フェルスタッペンのメルセデス移籍の噂がその背景にあると見られ、ラッセル自身も「(フェルスタッペンとの)継続的な交渉が契約延長の障害になっている」とほのめかしている。アントネッリ「チームは未来を見ている」仮にメルセデスがフェルスタッペンを迎え入れるとなれば、ラッセルか、現在チームでルーキーシーズンを戦うキミ・アントネッリのいずれかがシートを失う可能性がある。アントネッリも2025年までの契約で、将来は未確定だ。「明らかにいろいろなことが水面下で起きているけれど、チームは来年だけでなく、その先の将来も見据えて動いている。僕としてはただ自分のベストを尽くすだけ」「メルセデスからチャンスをもらって、他のチームとの話もしていないし、今いる場所に満足している。チームが僕に求めるものも理解しているし、全力を尽くしていくだけだよ」アントネッリはプレッシャーの中でも「心配はしていない」と語っており、メルセデス内部での評価と信頼を頼りに、自らの将来を切り開こうとしている。