アストンマーティンF1は、昨年のメルセデス W11のパーツを使用しようとしているが、今回は合法的にそれを実施する。昨年、レーシング・ポイントは、パフォーマンスを向上させるためにメルセデスの2019年マシンであるW10をコピー。RP10は“ピンク・メルセデス”と揶揄され、他チームの反感を買った。
議論は最終的に違法と見なされたリア・ブレーキダクトを中心に行われ、レーシング・ポイントはコンストラクターズ選手権から15ポイントを剥奪され、40万ユーロの罰金を科せられた。しかし、罰則がチームを思いとどまることはない。アストンマーティンF1に名前を変える2021年にチームはレギュレーションを最大限に活用し、2020年にメルセデスがチャンピオンを獲得したW11と同じリアサスペンションシステムを使用することを計画している。メルセデスの2020年のリアサスペンションは、W11に空力中心を下げてはるかに大きなダウンフォースを与え、ドライバーにマシンが路面に吸い付いているという自信と積極的な走りを可能にしており、アストンマーティンF1がそれを彼らの利益のために利用したいと思うのも不思議ではない。そして、それが正しいか間違っているかを問わず、サスペンションはFIAの各チームが独自に製造しなければならない“リステッド・リスト”には入っていないため、現在のレギュレーションで可能となっている。また、アストンマーティンF1は、その変更を開発トークンを使用せずに実施することができる。“ピンク・メルセデス”の一件によって、F1レギュレーションではライバルのデザインをリバースエンジニアリングで再現することが厳しく規制されているが、伝統のブリティッシュグリーンを纏うとされるアストンマーティンF1の2021年のマシンがメルセデス W11の酷似した“グリーン・メルセデス”になることは間違いないだろう。