レッドブルのジュニアドライバーであるアービッド・リンドブラッドが、来週イモラでF1マシンによる初の本格的なテストを実施する予定だ。今季中のフリープラクティス1回目(FP1)デビューに向けた準備が進んでいる。イタリア版Motorsport.comによれば、17歳のリンドブラッドは6月23日(月)にイモラ・サーキット(アウトドローモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ)で2023年型のアルファタウリAT04(現レーシングブルズ)をドライブするという。
今年2月にも同地で300kmに満たない限定的な走行経験はあったものの、今回が初めての「本格的」なF1テストとなる。今回のテストは、FIAがリンドブラッドに対して例外的にスーパーライセンスを発給した直後に明らかになった。F1出場に必要な最低年齢である18歳にまだ達していないが、FIAは「近年のフォーミュラカー競技において、著しく優れた能力と成熟を一貫して示してきた」として、例外を認めた。このイモラでの走行は、リンドブラッドにとってF1デビューへの布石にもなり得る。仮にレッドブルF1やレーシングブルズのレギュラードライバーに欠員が生じた場合、代役としての起用も視野に入る。たとえば、現時点でマックス・フェルスタッペンはレース出場停止となるペナルティポイントまであと1点と迫っており、次戦オーストリアGPでさらにポイントを加算されれば1戦の出場停止が科される可能性もある。また、F1グリッド上のレッドブル系4人のドライバーに、病気や負傷による欠場が発生した場合にもリンドブラッドが起用される可能性がある。とはいえ、今回のイモラでの走行の主な目的は、年内のFP1セッション出場に向けた準備だと考えられる。F1は今年からルーキードライバーを少なくとも4回のプラクティスセッションに起用することを義務づけており(昨年までは2回)、各チームはその枠の有効活用を迫られている。リンドブラッドにとっては、注目が集中するFP1に備えたプレッシャーの少ない環境で経験を積む貴重な機会になる。昨年は、キミ・アントネッリが母国イタリアでのモンツァFP1デビュー戦でメルセデスのマシンをクラッシュさせ、チーム代表のトト・ヴォルフが「彼をあんな状況に置くべきではなかった」と語った事例もある。リンドブラッドは現在F2ランキング3位につけており、すでに2勝を挙げるなどその才能を示している。今回のテスト走行は、その次なるステップへの重要な一歩となる。