アルピーヌF1のマネージングディレクター、スティーブ・ニールセンがイギリスGP前に発した「1度の波乱で状況は一変する」という警告が、まさにシルバーストンで現実となった。レーシングブルズはスプリントと決勝で大量ポイントを獲得し、コンストラクターズランキング5位争いはわずか1ポイント差まで接近。両チームの開発競争は、シーズン後半に向けてさらに激しさを増している。
「波乱のレースひとつで逆転される」と警告イギリスGPを前に、アルピーヌF1のスティーブ・ニールセンは、コンストラクターズランキングでレーシングブルズに13ポイント差をつけていたにもかかわらず、決して安心できる状況ではないと語っていた。エンストンのスタッフに対しても、「気を緩めてはならない」「何ひとつ当然と思ってはいけない」と呼びかけ、レッドブル傘下チームとの「開発競争」が続いていると強調した。シーズンを通じて両チームは5位争いを繰り広げてきたが、アルピーヌはわずかなリードを維持しているに過ぎなかった。しかし、その差で十分なのかと問われたニールセンは、即座に否定した。「いや、まだシーズンの半分も終わっていない。残り10戦か11戦、12戦あるだろう。だから安心できる状況ではまったくない」「少し波乱のあるレースがひとつあればいい。これまでもそういうレースはあった。もしレーシングブルズが僕たちより前でフィニッシュすれば、大量ポイントを獲得できる」「ポイント差は13点くらいだったと思うが、それなら1週末で簡単にひっくり返る。だから気を抜くことはできない。僕たちはレーシングブルズとの開発競争の真っ只中にいる」シルバーストンで警告は現実にそして、その予想はシルバーストンで現実となった。まずスプリントでリアム・ローソンが8位に入り、レーシングブルズは1ポイントを獲得。アルピーヌとの差は13ポイントから12ポイントへ縮まった。決勝終盤まで、レーシングブルズはローソンが8位、アービッド・リンドブラッドが9位を走行し、合計6ポイント獲得が見込まれていた。しかし41周目、アンドレア・キミ・アントネッリの左フロントホイールシールドが脱落するトラブルが発生。順位を落としたうえ、最終的にはトラックリミット違反による5秒加算ペナルティも受けた。さらに48周目にはマックス・フェルスタッペンがクラッシュし、セーフティカーが導入される。この一連の展開によって、アルピーヌのフランコ・コラピントとピエール・ガスリーはポイント圏へ浮上。一方でローソンとリンドブラッドも6位と7位へ順位を上げ、レーシングブルズはさらに8ポイントを上積みした。レースはセーフティカー先導のまま終了。アントネッリがポイント圏外へ転落したことで、コラピントとガスリーは9位と10位となり、アルピーヌは合計3ポイントを確保した。その結果、コンストラクターズランキングはアルピーヌ60ポイント、レーシングブルズ59ポイントとなり、差はわずか1ポイントまで縮まった。開発競争はさらに激化へ結果的にニールセンの警告は的中したが、その状況は決して歓迎できるものではなかった。さらにニールセンは、後方勢も大型アップグレードを準備しているとして警戒を強めている。「アストンマーティンやウィリアムズも大きなアップグレードを投入するという話を聞いている。どうなるか見てみよう」「まだシーズンは非常に長い。僕たちは何ひとつ当然だとは思っていない」アルピーヌとレーシングブルズの5位争いは、わずか1ポイント差という僅差に突入した。さらにアストンマーティンやウィリアムズも大型アップデートを予定しており、中団グループの勢力図は今後さらに大きく変化する可能性がある。