アルピーヌF1のエグゼクティブアドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレが進めた大胆な改革は、チームを確実に前進させる一方で、ルノー内部には今なお強い反発を残しているようだ。2025年にコンストラクターズ選手権最下位に沈んだアルピーヌは、2026年から自社製パワーユニットを廃止し、メルセデス製パワーユニットのカスタマーチームへ移行。エンストンを拠点とするチームにとって大きな方向転換となった。
この決断を主導したのがブリアトーレだった。ルノーのヴィリー=シャティヨン工場で行われていたF1エンジンプログラムを終了させたことで、約300人の人員削減につながり、ルノーグループ内には現在も不満が残っているという。ルノー内部には依然として不満の声The Raceのポッドキャストでジャーナリストのジョン・ノーブルは、ブリアトーレの決断が大きな波紋を呼んだと語った。「アルピーヌは昨年、明らかにどん底だった。コンストラクターズ選手権最下位に終わり、将来性も見えず、非常に厳しい状況だった」「フラビオは、ごく限られた人しかできない方法で組織を揺さぶった」「ルノーのエンジンプログラムを終わらせ、『我々はカスタマーチームになる。メルセデスへ移行する』と決断したことは、当時大きな批判を招いた。ルノー内部には、今でもその決定に非常に不満を抱いている人たちがいるだろう」勝利だけを目指すブリアトーレ一方でノーブルは、ブリアトーレの視点から見れば、この決断は極めて合理的だったと説明する。「しかしフラビオの視点では、これはF1で勝つための話だ。彼が戻ってきた理由も、彼の唯一の使命もF1で勝利することにある」「彼はパワーユニットという観点では目的を達成した。メルセデスはF1最高のパワーユニットを持っている。その体制を手に入れた」「さらに最高のスポンサーと最高レベルの予算も必要だが、それも確保した」アルピーヌは2027年から高級ファッションブランドのグッチとのタイトルスポンサー契約締結を発表しており、資金面での強化も進んでいる。まだ優勝争いの段階ではないただしノーブルは、現状を過大評価すべきではないと警鐘を鳴らしている。「グッチが加わり、メルセデスのパワーユニットを搭載したからといって、来年すぐにアルピーヌが優勝争いをするわけではない」「これはまだ2〜3年規模のプロジェクトだ」「それでも昨年から今年への進歩は非常に大きい。2027年に向けてさらに大きな前進を果たす可能性は十分にある」実際、アルピーヌは開幕5戦終了時点でコンストラクターズランキング5位につけており、2025年の最下位から大きく巻き返している。フランコ・コラピントの好調もあり、ブリアトーレの改革は少なくとも短期的には成果を示し始めている。BYD参入説と工場売却の行方一方で、ヴィリー=シャティヨンの旧F1エンジン施設を巡る動きにも注目が集まっている。アルピーヌの株式24%を保有するオトロ・キャピタルが持ち株売却を検討しているとの報道が続く中、中国の自動車メーカーBYDがアルピーヌへの関心を示していると噂されている。仮にBYDがF1参入を目指してアルピーヌへの出資や買収に動けば、現在は稼働していないヴィリー=シャティヨンの施設が再び活用される可能性もある。また、クリスチャン・ホーナーやメルセデスとの関係を巡る様々な憶測も続いており、アルピーヌの将来像を巡る議論は今後も続きそうだ。