アルピーヌF1チームの臨時代表を務めるフラビオ・ブリアトーレは、イモラでの厳しいF1デビュー戦を終えたフランコ・コラピントについて、「時間をかけて見極めていく必要がある」と語った。熱狂的なアルゼンチンのファンに支えられ、同国の企業スポンサーからも支援を受ける21歳のコラピントは、アルピーヌF1チームからジャック・ドゥーハンに代わってイモラで初のF1出走を果たした。起用に際しては「5戦限定」との見方も出ていたが、ブリアトーレはこれを明確に否定している。
「5戦? 忘れてくれ。決めるのは私だ」と語ったのは、アルピーヌで暫定的に指揮を執る75歳のブリアトーレ。彼はこの冬、ウィリアムズからコラピントを“レンタル”という形で獲得していた。コラピントにとっては力強い後ろ盾だが、イモラでの初戦は試練続きだった。ルーキーとしてのミスによりグリッド降格ペナルティを受け、走行中のブロックで他のドライバーから反感を買い、予選では大クラッシュも喫している。決勝は16番グリッドからスタートし、完走は果たしたが、キミ・アントネッリとエステバン・オコンがリタイアした中でも順位は16位にとどまった。それでも本人は前向きな姿勢を貫いている。スペインメディアに対しては「周回を重ねるごとにマシンへの理解が深まり、チーム内での基準である(ピエール)ガスリーに近づいている感覚があった」と語った。次戦モナコGPに向けても自信はあるとしつつ、「慎重に、少しずつ進めていくつもりだ」とコメント。「今回の目標は完走することだった。スタート位置からポイント獲得は難しかったが、できる限りのことはやった」と初戦を総括している。なお、ドゥーハンをわずか6戦で降格させた経緯もあるブリアトーレだけに、今後も同様の成績が続けば、コラピントの立場が危うくなる可能性は否定できない。とはいえ、ブリアトーレはViaplayの取材に対してこう語っている。「彼にとってはアルピーヌF1チームでの初レースだったし、予選での事故もあって厳しい状況だった」「彼は若くて高いポテンシャルを秘めたドライバーだ。今は結果を急がず、時間をかけて見極めていく必要がある」一方で、注目されるのがリザーブに回ったドゥーハン、そしてアルピーヌのWEC(世界耐久選手権)ドライバーであるミック・シューマッハの存在だ。元F1ドライバーのティモ・グロックはSky Deutschlandで「ミックはコラピントよりも経験がある」とコメントしている。加えて、ブリアトーレとミハエル・シューマッハ――ミックの父であり、ブリアトーレにとって初のF1チャンピオン――との関係性を考えれば、ミックが候補として浮上するのも不自然ではない。「コラピントが結果を出せなければ、ミックは有力な選択肢になる」とグロックは語る。「WECでは常に彼がチーム内で最速であり、それもアルピーヌのマシンだ。だからこそ、彼が代役候補として挙がるのは当然だろう」
全文を読む