アストンマーティンF1がハンガリーGPで投入する大規模アップデート「AMR26B」に注目が集まる中、フェルナンド・アロンソは過度な期待を戒めた。チーム内では新パッケージへの期待が高まっているが、アロンソは「スパでこのマシンを使っていても順位は変わらなかっただろう」と語り、重要なのは即効性ではなく開発の方向性を見極めることだと強調した。
アロンソ「結果よりも正しい開発の方向性が重要」ハンガリーGPのFIA公式記者会見に出席したアロンソは、4か月をかけて開発されたAMR26Bについて問われると、チームの努力を評価しながらも、すぐに劇的な成果が出るとは考えていないと語った。「今年ここまで取り組んできたアプローチは何も変わらない。僕たちは毎週末、持っているパッケージから最大限を引き出そうとしている」「僕たちはレースに勝ち、チャンピオンシップを争うためにここにいる。でも今季はそういうスタートではなかったし、今も2026年レギュレーションを理解し、正しい方向へ開発を進めている途中なんだ」また、アストンマーティンが他チームとは異なる開発戦略を選択したことにも言及した。「最初の10戦で、多くのチームは2~3戦ごとにコンマ2~3秒ずつ改善を積み重ねる一般的な開発を選んだ」「一方で僕たちはそうしなかった。その結果、他チームに後れを取ったけれど、今はその遅れを一気に取り戻そうとしている」そのため、新パッケージが投入されても勢力図が一変するとは考えていないという。「だからといって、日曜日の僕たちの本来のポジションが変わるとは思っていない」それでもアロンソは、チームの取り組みそのものには高い評価を与えている。「もちろん僕は楽観的だ。バーレーンテストで問題を理解して以来、チームが取り組んできた仕事を誇りに思っている。このアップデートは、その修正に向けた第一歩だ。でも、まだやるべきことは残っている」「スパでも順位は変わらなかった」と冷静な評価AMR26Bについては、一部で1周あたり2秒以上の改善が見込まれるとの憶測も流れている。しかし、アロンソは数字や順位には関心がないと断言した。「数字や順位にはあまり興味がない。直近5戦を見ても、中団との差はサーキットごとにかなり違っていた」「ポールポジションとの差は比較的一定だったけれど、シルバーストンやスパのように特に厳しいサーキットもあった」その上で、スパ・フランコルシャンでは前方のライバルとの差が大きすぎたと振り返る。「スパでは前を走るドライバーまで2.1秒離されていた。世界中のどんなアップデートでも、それだけの差を一気に埋めることはできない」そして、新型マシンがスパで投入されていたとしても結果は変わらなかったとの見方を示した。「もし1週間前のスパでこのアップデートを使っていても、おそらく順位は変わらなかっただろう。そういう考え方で向き合うべきなんだ」一方で、ハンガロリンクはスパとは性格が異なるため、状況は変わる可能性があるとも語っている。「サーキットによって状況は変わる。ブダペストが僕たちに有利なコースであることを願っている。ここではパワーの重要性は比較的小さい。ただ、今回はマシンは更新されるけれど、パワーユニットはまだ新仕様ではない。だから克服すべき課題はまだ残っている」AMR26Bは“第一歩” 開発成功の判断は今後アロンソが繰り返し強調したのは、今回のアップデートを単なるラップタイム改善ではなく、将来へ向けた開発の指標として捉えている点だ。「僕が一番知りたいのは、マシンがどの方向へ進んでいるのかということだ。正しい道を進み、最終的にこのマシンの性能を最大限に引き出せるようになるかどうか。それが何より重要なんだ」AMR26Bはアストンマーティンにとって今季最大のアップグレードとなるが、アロンソは短期的な結果ではなく、今後の開発の土台として評価すべきだとの姿勢を貫いている。ハンガリーGPでは順位以上に、新コンセプトが期待どおりの方向性を示せるかが最大の焦点となりそうだ。