ウィリアムズのアレックス・アルボンは、ラスベガスGPでのマクラーレン勢ダブル失格につながったFIAの「ランダム選出によるレース後検査」について、公平性を損なう仕組みだと指摘した。メディアの取材に応じたアルボンは、すべてのマシンを検査すべきだと主張し、選択的なチェックが議論と混乱を生むと語った。
ラスベガスでは両マクラーレンのプランクが規定の9mmを下回り失格となり、大きな波紋を呼んだ。路面のバンプが激しい同サーキットでは、極端な車高設定による摩耗がリスクとなっていたことも影響した。また、中国GPでもフェラーリ勢とルイス・ハミルトンが同様の理由で失格となっている。「ランダムなのが好きじゃない」透明性の欠如を批判アルボンは、プランク厚さの管理自体には理解を示しつつ、検査方式の不透明さが問題だと語った。「僕たちはやろうと思えばデッキすれすれで走れるし、それで合法かどうかは運みたいなものなんだ。だから僕としてはランダムなのが好きじゃない。毎週末20台全部をチェックすれば公平だと思う。選ばれた数台だけ…というのがややこしいんだ。でもまあ、ルールはルールで、毎回同じ話だよ」選択的検査が行われる現状では、チャンピオンシップに影響を及ぼす重大な結果が「たまたま検査対象になったかどうか」に左右されかねないと懸念を示した。アルボン、ステラ代表の“ペナルティ緩和論”には反対一方でアルボンは、マクラーレンのアンドレア・ステラ代表が主張した「プランク摩耗のペナルティ軽減」案には反対の立場を明確にした。「賛成じゃない。限界を管理する必要があるし、わずか1mmでもラップタイムに大きく影響する。もちろん誰だってミスはあるし、それは理解している。でも今のF1マシンは驚くほど精密で、レース日の風向き一つで車高が大きく変わる。向かい風なら車高が強く沈むこともあるし、ポーポイズも起きるから調整も必要になるし、読み違いも出てくる」さらに、走行時間が限られた週末(スプリントやラスベガスのように初走行が制限されるケース)ではチームが保守的な車高を選ぶ必要があり、結果的に「もっと攻められたはず」と感じる場面も多いと説明した。「規則が厳しいからこそ、安全側に倒すしかない。日曜が終わってみるとプランク摩耗がほとんどなくて、もっと最適化できたのにと感じることもある。でもそれが今年のルールセットなんだ」相次ぐ失格、FIAの“ランダム検査”議論が再燃現在のグラウンドエフェクト規則では、車高トリックによる性能獲得を防ぐためプランク摩耗や重量規定が厳格に管理されている。だが実際のレース後検査は「ランダム選出」で行われており、中国ではシャルル・ルクレールが1kg不足で失格、ハミルトンやニコ・ヒュルケンベルグもプランク摩耗で失格となった。ラスベガスでのマクラーレン2台同時失格は、タイトル争いにも影響する重大な事態となり、FIAの検査方式そのものへの疑問を再び強める形となった。
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