アレックス・アルボンが、2025年F1カナダGPで注目を集めたチーム無線について、レース後にその真意を明かした。戦略に対する不満を露わにしたように聞こえる内容に対し、アルボンは「テレビ用に都合よく編集された」として誤解を解いた。モントリオールでの難しいレースの中盤、「なぜ僕の言うことを聞いてくれないんだ」といった無線が放送され、続いて数周後のタイヤ交換時にもピットとやり取りする鋭いトーンの無線が紹介された。このため、ウィリアムズ・レーシング内に緊張感があるのではと憶測が広がった。
だが、レース後のアルボンは笑顔を交えつつ、こう釈明した。「正直、テレビ側がうまく演出してるよね。僕は毎周同じように言っていたのに、都合のいいタイミングのものだけ使われた感じだった」つまり、感情をあらわにしたように聞こえた無線も、実際はレース中ずっと続いていた冷静な主張の一部に過ぎず、放送されたのはそのごく一部だったという。レース内容には手応えも、PUトラブルでリタイアアルボンのフラストレーションの背景には、ポイント獲得が狙えたはずの週末を逃した悔しさがあった。予選では10番手につけ、決勝でも力強い走りを見せていたが、46周目にパワーユニットのトラブルで無念のリタイアとなった。「今週末はチャンスを逃した。予選でもうまくまとめきれなかったし、まだタイヤの理解や風の影響への対応など、改善すべき点がある」とアルボンはコメント。とはいえ、レース中のFW47には確かな競争力があったという。「決勝のペースは本当に良かった。楽にトップ10に入れていたと思う。だからこそリタイアは悔しい」さらに、自身の序盤の走りにも課題を感じていたと述べた。「1周目は良くなかった。自分自身、もっといい仕事をしないといけない」エンジントラブルは空力にも原因?アルボンによれば、今回のリタイアの原因となったPUトラブルは偶発的なものではなく、集団走行による“ダーティエア”の影響で吸気が妨げられたことも要因だったという。「前のマシンの乱気流にずっとさらされていたことで、クリーンな空気が吸気に入らなかった。それが問題を引き起こした」と語り、「今回だけの話じゃない。今後も起こり得る」と警鐘を鳴らした。無線の“演出”には冷静な対応ドラマチックに編集された無線が話題を呼んだものの、アルボン本人は終始冷静だった。ウィリアムズの実力が発揮されつつある中で、次こそはマシンの信頼性と戦略の精度が噛み合い、放送でも“全貌”が伝わることを願っている。
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