角田裕毅は2026年、レッドブルのテスト兼リザーブドライバーとしてチームに残留することになった。レッドブル・レーシングとレーシングブルズは12月2日(火)に2026年のドライバーラインナップを正式発表し、その中で角田裕毅がレースシートを離れ、内部で重要な技術的役割を担う形へと移行することが明らかになった。
角田裕毅は2019年にレッドブル・ジュニアプログラムに加入して以来7年間にわたり組織の一員として活動し、F1では100戦以上に出走してきた。VCARB(旧アルファタウリ)で経験を積んだ後、2025年には日本GPでレッドブル・レーシングのレースドライバーとしてデビューを果たし、レッドブルのトップチームで走った10人目のジュニア出身ドライバーともなった。今回の発表で、レッドブルのCEO兼チーム代表ローラン・メキースは角田裕毅について、「これまでの5シーズンで成熟した“完全なレーサー”へと成長し、土曜日には単独ラップで速さを見せ、日曜日には卓越したスタートと優れたレースクラフトを発揮してきた」と評価した。また、「彼の魅力的な性格は人を惹きつけ、レッドブルファミリーの特別な一員になっている」と語り、角田の存在が組織にとって重要であることを強調した。さらにメキースは、「これまでの貢献に感謝しており、2026年プロジェクトにおいて彼が提供する支援はかけがえのないものになる」と述べ、今後の役割に大きな期待を寄せている。一方で、VCARBは来季のレースドライバーとしてリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドを起用する。ローソンは2025年のシーズンを通じて厳しい状況でも力を発揮し、プロフェッショナルな姿勢で評価を高めてきた。また、リンドブラッドはジュニアカテゴリーを急速に駆け上がり、レッドブル・ジュニア20人目のF1昇格者として高い将来性を認められている。さらに、VCARBで印象的なルーキーイヤーを過ごしたアイザック・ハジャーは、マックス・フェルスタッペンとともにレッドブル・レーシングへ昇格することが決まり、ハジャーのステップアップがレッドブル育成システムの強さを象徴するものとして発表された。こうした2026年体制の構築に伴い、角田裕毅はレースシートを離れるものの、レッドブル内部に残り、特に大規模なレギュレーション改定を迎える新時代に向けて技術面からチームを支える役割を担うことになる。レースから離れてもなお、角田の経験と成長、そしてレッドブルが公式に示した高い信頼は、彼が組織にとって重要な戦力であり続けることを示している。レギュレーションが大幅に刷新される2026年、角田裕毅がどのようにチームの発展に寄与し、自身のキャリアの次の段階へと進んでいくのか。彼の歩みはこれからも注目を集めることになるだろう。