角田裕毅(レッドブル・レーシング)は、2025年F1ラスベガスGP決勝を12位で終え、ここ14戦連続で未ポイントという厳しい流れが続いている。それでも本人は「進歩している手応えはある」と語り、チーム残留へ向けて“結果で示す”姿勢を強調した。フリー走行では強力なパフォーマンスを発揮し、FP1ではマックス・フェルスタッペンを上回る最速タイムを記録。しかし、予選Q1ではタイヤ空気圧の設定ミスによりタイムを出せず、レッドブル側が責任を認める形で事実上の不運な敗退となった。
パルクフェルメ違反扱いでピットレーンスタートとなった決勝も、序盤の戦略が噛み合わず巻き返しの糸口を掴めなかった。序盤のVSCタイミングが致命傷に決勝では1周目の終わりにタイヤ交換を強いられたが、その直後の2周目にバーチャル・セーフティカー(VSC)が発動。他車はVSC中にピットインしてタイムロスを最小化したため、角田裕毅は隊列の不利な位置に取り残された。「すごく不運でした。ピットに入った直後にVSCが出てしまって、全然理想的じゃなかったです」「そのあと周りがピットに入っていったことで、ずっとダーティエアの中で走ることになってしまいました。今は全てが僕にとって逆風に感じます」という本人の言葉どおり、不運が連鎖する形となった。週末序盤の速さは本物「フェルスタッペンより前にいた」フリー走行では複数回にわたりフェルスタッペンを上回るタイムを記録しており、その点には自信を見せた。「FP1、FP2、FP3の複数のラップで僕はマックスより前にいました。こういうことはこれまであまりなかったと思います」「彼は予選でマシンを自分のレベルに引き上げるのが強みですが、今回の僕も予選に向けて自信を持っていました。だからこそ、コントロールできないミス(タイヤ空気圧問題)でチャンスを失ったのは残念です」予選が正常に行われていれば「全く違う週末になっていた」と示唆する内容となった。残留問題:チームはポテンシャルを理解している、しかし…レッドブルは来季の体制をまだ正式発表しておらず、角田裕毅の残留も確定していない。本人はチームが自分の伸びしろを認識しているとしつつ、結果の重要性を強く意識している。「ポテンシャルはチームも見てくれていると思います。でも、僕が欲しいのは“結果”ですし、チームも同じです」「これ以上ミスを続けるわけにはいきません。全体を整えて、カタールではしっかり結果を出したいです」次戦カタールで“巻き返しの必須条件”今回のラスベガスでは“見せかけでない速さ”が確かに存在したにもかかわらず、予選のミスとVSCタイミングの不運で全てが水泡に帰した。角田裕毅としては「速さはある」という証拠を手にしつつ、決勝での結果に結びつけられなかった点が最大の課題だ。カタールGPは高温かつ高速サーキットであり、タイヤ管理と空力効率が重要になる。今季のレッドブル・レーシングにとっては武器となる領域でもあり、週末のどこかで起きてきた“外的要因による脱落”を排除できればポイント獲得の可能性は十分高い。週末序盤の速さを結果につなげられるか──角田裕毅にとって、次戦はキャリア上極めて重要な一戦となる。