元F1ドライバーのアレックス・ヴルツが、次期FIA会長選への出馬を完全には否定していない。今週、オーストリアの新聞『Österreich』は、ヴルツが2025年12月の選挙で、分裂の続く現職のモハメド・ビン・スライエムに挑戦する可能性があると報じた。同記事では、カルロス・サインツSr.やデイビッド・リチャーズといった他の候補者の名前も挙げられている。
ヴルツは現在、グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)の共同ディレクターを務めるとともに、サーキットデザイナーとしても活動しているが、1996年のF1ワールドチャンピオンであるデイモン・ヒルがヴルツを支持する発言をしたことがきっかけだったという。「すべてはデイモン・ヒルがX(旧Twitter)で私について言及したことから始まった」と、51歳のヴルツはモナコで語った。「私はレースイベントについて話していて、彼が反応したんだ。デイモンはただフォロワーに問いかけただけなんだよ。『次のFIA会長は?』ってね」「もちろん、デイモンが私にその資格があると思ってくれるのはうれしいよ」注目すべきは、ヴルツがこの噂を否定しなかった点だ。「この話を始めたのはデイモンであって、私じゃない」と彼は強調した。「いずれにしても、まだ公式な発表は何もない」「今の私は、脳の3分の1を自分の仕事に、3分の1をコメンテーターとしての活動に、残りを家族に使っているんだ」一方、最近ではメルセデスF1代表トト・ヴォルフの妻であるスージー・ヴォルフもビン・スライエムへの対抗馬として名前が挙がったが、利害の衝突を理由にその可能性は否定されたとされている。ヴルツの新たな可能性について、トト・ヴォルフはモナコで次のように語った。「誰が本当に出馬するのか、様子を見よう」「アレックスはモータースポーツにおいてありとあらゆることを経験していて、誰とでもつながりがあるし、間違いなくその道の専門家だ」ただし彼は続けてこうも付け加えた。「ただ、FIAレベルの政治については自分にはよく分からないんだ」