マックス・フェルスタッペンのニュルブルクリンク24時間デビューが、早くも大きな話題を呼んでいる。2026年のニュルブルクリンク24時間レースは6時間を経過した時点で、フェルスタッペンが所属する3号車チーム・フェルスタッペンのメルセデスAMG GT3が首位に浮上。雨が降り始める難コンディションのなか、ルーカス・アウアーが80号車メルセデスとの接戦を制し、トップで夜間セクションへ突入した。
雨のタイミングが勝負を左右 フェルスタッペン陣営が首位奪取レース序盤、3号車はフェルスタッペン自身がステアリングを握り、混雑するトラフィックをかき分けながら着実にポジションを上げた。序盤には接触寸前のヒヤリとする場面もあったが、大きなミスなく走行を続け、スティント終盤には20秒以上のリードを構築。その後、ジュール・グーノンへ交代した。しかし、レースが進むにつれてニュルブルクリンク名物とも言える急変する天候が各車を襲う。6時間目に雨脚が強まると、各陣営はタイヤ選択に苦戦。34号車アストンマーティンがスリックタイヤでステイアウトを選択する一方、ウィンワード運営のメルセデス2台はウエットへ交換した。この判断が大きく機能し、アウアーがドライブする3号車は36周目に80号車を抜き返して首位を奪還。6時間終了時点で、その差はわずか0.3秒という激しい攻防となっている。エストレとマスタングが同一箇所でクラッシュレース中盤には有力勢にも波乱が襲った。911号車マンタイ・ポルシェのケビン・エストレは、グーノンとの差を急速に縮めていたものの、ブルンヒェンでスピン。別車両が撒いた液体に乗ったことでバリアへクラッシュし、車両後部を大破した。さらにその直後には、アルジュン・マイニがドライブする64号車ハウプト・マスタングも同じ箇所でクラッシュ。ニュルブルクリンクらしい過酷な路面状況が上位争いを大きく揺さぶった。“限界で走りながら生き残る” フェルスタッペンらしい初陣F1では4度の世界王者として知られるフェルスタッペンだが、ニュルブルクリンク24時間は今回が本格デビュー戦となる。それでも雨が絡む難条件のなかで即座に順応し、チームのリード構築に大きく貢献。走行後には、自身のスティントを冷静に振り返った。「うん、良かった」とフェルスタッペンは語った。「最初は少しトラフィックに詰まっていたから、車をかわしていくのが少し難しかった」「何台かクリアしてから天候が変わって、滑りやすいコンディションで何周か走った」「そこで差をつけられたと思う。それに車も良かった」「トラブルを避けようとしていたけど、同時にプッシュして限界に近いところで走らなければならない。そこはいつも見極めるのが難しい妥協点だ。でもうまくいった」“F1王者の適応力”を改めて証明した6時間ニュルブルクリンク24時間は、F1とはまったく異なる競技だ。トラフィック処理、天候変化、長時間の集中力、そしてグリーンヘル特有の危険性が常にドライバーへ襲いかかる。そのなかでフェルスタッペンは、わずか最初のスティントからレース全体の流れを変える走りを披露した。まだレースは18時間以上を残しているが、少なくとも現時点で“F1王者がGT耐久でも即座にトップレベルへ適応した”ことだけは、誰の目にも明らかになっている。