レッドブル内部で新たな不確実性が浮上している。英メディア『PlanetF1』によると、マックス・フェルスタッペンの信頼厚いメカニックがチームを離れる可能性が報じられ、体制の揺らぎが再び表面化した。2026年シーズン序盤の不振と重なるタイミングでの動きだけに、その影響は単なる人事異動にとどまらない。近年の支配的な成功を支えてきた“内側の結束”に変化が生じている可能性がある。
今回の焦点は、フェルスタッペンのガレージを長年支えてきたメカニック、オーレ・シャックの退任報道だ。複数の報道によれば、すでに辞表を提出しているとされ、正式な離脱時期については協議が続いている段階だという。フェルスタッペン体制を支えたキーパーソンオーレ・シャックは単なるメカニックではない。チームがジャガー時代からレッドブルへと変貌した初期から在籍する数少ない人物であり、2005年以降の変革を現場で見続けてきた存在だ。近年はフェルスタッペン側のガレージに組み込まれ、4度のワールドチャンピオン獲得を支えた“コアメンバー”の一人として機能してきた。F1においてドライバーとクルーの信頼関係はパフォーマンスに直結する要素であり、その喪失は数値以上の影響を及ぼす可能性がある。今回の離脱が事実であれば、単なる人員交代ではなく、フェルスタッペン体制の“安定装置”がひとつ失われることを意味する。続く体制変化と組織の再編レッドブルではここ数か月で重要人物の離脱が相次いでいる。長年チームを支えたヘルムート・マルコの退任に加え、クレイグ・スキナーやマット・コーラーといった主要スタッフもチームを離れた。さらに、前チーム代表クリスチャン・ホーナーの途中離脱という大きな転換点を経て、現在はローラン・メキース体制へと移行している。こうした連続的な変化は、組織内部の空気や意思決定構造に少なからず影響を与える。シャックの離脱報道は、その流れの延長線上にある動きと捉えられている。理由は明らかにされていないが、環境の変化が長年のスタッフに再考を促している可能性も指摘されている。低迷するRB22と重なるタイミング状況をより複雑にしているのが、2026年シーズンのパフォーマンスだ。レッドブルの新型RB22はバランス面の問題を抱えており、開幕から3戦を終えてコンストラクターズランキングは6位に低迷。フェルスタッペンもわずか12ポイントでドライバーズランキング9位にとどまっている。トップ争いが常態だったこれまでと比べれば、この落差は極めて大きい。こうした状況下での内部人材の流出は、チームの結束や方向性にさらなる影響を与える可能性がある。特にフェルスタッペンのように長年同じクルーと戦ってきたドライバーにとっては、信頼できるメンバーの離脱は心理面にも及び得る要素だ。レッドブルはこれまでも変化を乗り越えてきたチームであり、新体制が新たなアイデアをもたらす可能性もある。ただし今回の一連の動きは、単なる過渡期なのか、それとも長期的な転換点なのか。2026年シーズンの戦いと並行して、ガレージ内部の変化にも注目が集まる。