レッドブル・ホンダF1のマックス・フェルスタッペンが、レコノサンスラップでのクラッシュから2位表彰台で終えたF1ハンガリーGPの決勝を振り返った。初日からRB16の挙動に苦労していたマックス・フェルスタッペンは、ダミーグリッドに向かうレコノサンスラップで前日にスピンしていたターン12でコントロールを失ってクラッシュ。フロントウイングとサスペンションにダメージを負った。
グリッドからのスタートを諦めてピットに向かおうとしてマックス・フェルスタッペンに対し、エンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼは「グリッドに来てくれ」と無線を飛ばす。そして、レッドブル・ホンダのメカニックたちは残り20分の段階から驚異的な作業でマシンを修復。見事にマックス・フェルスタッペンをフォーメーションラップに送り出すことに成功した。しかし、マシンが完全に治っているのか、さらにはこれまでの週末の出来を考えて、RB16が競争力を発揮することを予想する人は多くなかったはずだ。しかし、マックス・フェルスタッペンはスタートで7番手から3番手まで順位を上げると、スリックへの交換のタイミングで2番手に浮上。最後はバルテリ・ボッタス(メルセデス)から追撃を受けるが、なんとか抑えきり、2位表彰台で週末を終えた。「もちろん、グリッドへ着くためのラップでバリアに接触するなんて望んでいたことではないけど、メカニックはマシンを修復するために素晴らしい仕事をしてくれた。彼らがどうやってそれを完了させたのかわからないけど、信じられないことだった。彼らのために2位で恩返しできてとてもうれしい。1周目が非常に重要だったと思う。それ以降は正しい判断ができたと思うし、良いペースがあったのでとにかく自分の仕事を続けていた。もちろん、メルセデスの2台に割って入ることができたのは僕たちにとって良い結果だ」とマックス・フェルスタッペンはレース全体を振り返る。レコノサンスラップでのクラッシュについては以下のように説明する。「基本的にロックしたので、ブレーキを離し、再びブレーキをかけようとしたらまたロックして、そのまま直進した。すでにラップ全体でグリップに苦労していたし、基本的にロックしてしまい、そこから抜け出すことができずにウォールに直進していった。レースは終わったと思ったけど、なんとかマシンをリバースにいれてウオールから抜け出すことができた。そうだね、『ネバーギブアップ』のメンタリティだった。グリッドにマシンを持って行ってどうなるか見てみるしかなかった。飛び降りて『終わった』と言っていた可能性もあったけど、その後のことは皆さんも目にしたとおりだ。メカニックが素晴らしい仕事をしてマシンを修理してくれた。レースをスタートできるだけでもとても幸せだった。1周目は本当に良かったし、それ以降はいつピットインして、どのタイヤを履くかといった戦略面で正しい判断ができた。このような難しい週末の後にメルセデスの2台に割って入れたことは僕たちにとって素晴らしい結果だし、期待していなかったことなのは間違いない」事故が起こったとき、マックス・フェルスタッペンは「トラックロッドが壊れたと思ったし、プッシュロッドも壊れていたので、すぐに交換するのは簡単ではないと思った」と語る。そして、メカニックにマシンを託したまま、マックス・フェルスタッペンは国家斉唱のためにマシンを離れることになる。その時の心境についてマックス・フェルスタッペンは「とても落ち着いていたよ。『彼らがそれを成し遂げられるか見てみよう』という感じだった」と語る。「もしだめなら、レースは終わりだし、全体的に残念な週末が完了していただろう。でも、彼らは素晴らしい仕事をしてくれたし、マシンに戻って本当に気合が入っていた。彼らの努力が無駄ではなかったことを示したかったとでも言っておこうかな。確かにクレイジーだったね。10~12分間は本当にクレイジーだった」その際、クリスチャン・ホーナーやヘルムート・マルコとは話をしたのか?「彼らとは何も話さなかった。マシンが修理されて準備が整い、乗り込んだあとに握手をしただけだ。何が言える? 会話をすることはできるけど、ウオールにヒットして、ダメージを負って、ダメージが修理されただけだ。どうなるか見てみるしかないよね」「マシンに座って、メカニックたちが10秒、5秒とお互いに叫んだり、ホイールを付けているすべてを見ていた。サスペンション上のテープの最後の破片がついたままかはわからなかったけどね。フォーメーションラップを走って、ホイールをチェックして、いい感じだった。レース中は何も起こらなかった。何も変なことは起きなかったので、完全に修理されていた。クレイジーだよね」マックス・フェルスタッペンは、レコノサンスラップのクラッシュによって控えめな走りをするようなことはなかったと語る。「ノー、ノー。他のレースの1周目と変わらなかったよ」とマックス・フェルスタッペンは語る。「すべては解決したから言うけど、グリッドへのラップではタイヤが本当に冷えていたし、ロックして直進してしまった。だから…再びそれが起こらないようにブレーキバイアスをちょっと後ろにさせたけど、おばあちゃんのようにコーナーを走るつもりはなかった。プッシュし続けなければならない」RB16のハンドリングについても「いい感じだったよ。新品のようだった! 時間ギリギリだったけど、すべてが正常に機能していた」とマックス・フェルスタッペンは語る。路面が濡れ、マシンに不安があったなかで、7番手から3番手まで順位を上げる走りはどのように実現したのだろうか?「本能で感じるものだと思う。レース前にそのようなことを計画することはできない。全てのスタートが異なる。以前のスタートを見たり、どんなことが起こり、何がうまくいかなかったかを見ることはできるけど、全てのスタートが異なる。もちろん、毎年違ったマシンが走るので、予測することしかできない」「スタート自体はまずまずだったけど、一時はインサイドに行くつもりだった。でも、コーナーで大渋滞になることがわかったのでアウトサイドに行くことにした。そこにグリップがあるはわかっていたし、ここでのウエットラップは十分うまくいったと思う。全員がインサイドに集中して、お互いをブロックしようとしていたので、僕は外から回ることができた」「7位のままだったら他のマシンを抜くことに苦労していただろうし、3位になったらレーシング・ポイントよりも速く走ることができた。彼...