レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは、ホンダのF1パワーユニットの今シーズンここまでのコンポーネント変更率が高いからといって信頼性が低いと解釈するのは間違いだと考えている。トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーは、今シーズン他のどのドライバーよりも多くのパワーユニットコンポーネントを使用している。
ブレンドン・ハートレーはすでに6基のICE(内燃エンジン)を使用しており、それは年間の使用制限の2倍にあたる。ターボチャージャー、MGU-H、MGU-K、エネルギーストア、コントロールエレクトロニクスも年間の使用数を超過しているピエール・ガスリーもチームメイトとほぼ同数のパワーユニットコンポーネントを使用しており、ICEとMGU-Kが一基ずつ少ないだけとなっている。しかし、ホンダは、コンポーネントをストックするための戦略的な変更、もしくは酌量すべき事情でパワーユニットコンポーネントを交換している。例えば、ブレンドン・ハートレーは、スペインとバーレンのプラクティスでクラッシュを喫した後、新しいパワーユニット一式が投入されている。また、シーズンを開始したMGU-Hに既知の問題を確認されたため、序盤戦でそれを交換している。2019年からレッドブル・レーシングはホンダのF1パワーユニットを搭載するが、マックス・フェルスタッペンは今年のホンダのパワーユニットコンポーネントの使用数が多いことは懸念していないと語る。「彼らが多くの問題を抱えているとは思っていない」とマックス・フェルスタッペンはコメント。「ほとんど場合、彼らは予選が良くなかったので、新しいコンポーネントを投入してもあまり大きな違いはなかったかもしれない。それが彼らがやっていることだ」「だから、あまり心配はしていない。それにまだ彼らにはパッケージを理解するためにレースが今後かなりたくさんあるし、来年は違った新しいエンジンになるだろう。彼らはミスから学んでいるし、それは良いことだ。それにホンダだけではなく、他のブランドでもそれは起こっている。だから、あまり心配はしていない」マックス・フェルスタッペンは、レッドブル・レーシングとしては、トロロッソが戦略的な理由で積極的にペナルティを受けていくというホンダの姿勢はレッドブル・レーシングにとって利益でしかないと考えている。レッドブルは、トロロッソがコンストラクターズ選手権で堅実なフィニッシュができるのであれば、ホンダがグリッドペナルティを受けて改善をトライアルすることを容認する発言をしていた。「彼らは物事をテストすることができるし、どっちみち少し後方に下がるだけの場合は追加のペナルティを受けることができるときもある」ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、まだF1パワーユニットのパフォーマンスと信頼性との間の“限界”を確立させているところだと語る。また、田辺豊治は、カナダでアップグレード版“スペック2”エンジンを投入した後に問題を評価して、エンジン自体に根本的な問題はないという結果が出たとし、夏休み後のスパもしくはモンツァで次のエンジンアップグレードが投入される見込みであることを明らかにした。「次のステップアップの正確なタイミングを教えることはできませんが、我々は継続的にパフォーマンスと信頼性を向上させています」と田辺豊治はコメント。「我々には開発スケジュールを完了させるためのアイテム、優先順位、時間があります。我々はそれらを開発し続けていきます。投入に問題なければ、常にいつでもそれらを投入していきます」2018年 ホンダF1パワーユニット 使用状況 ICETCMGU-HMGU-KESCEピエール・ガスリー655533ブレンドン・ハートレー555433年間使用数333222ICE … 内燃機関(エンジン)TC … ターボチャージャーMGU-H … 運動エネルギー回生システムMGU-K … 熱エネルギー回生システムES … エネルギー貯蔵装置(バッテリー)CE … コントロールエレクトロニクス
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